養子縁組と基礎控除
相続において、養子は実子と同等です。
基礎控除額を計算するときの相続人の中に養子が含まれる場合には、養子の人数に制限があります。
・被相続人に実の子供がいる場合は一人までです。
・被相続人に実の子供がいない場合は二人までです。
民法上の養子の数に制限はありませんが、相続税法上は、課税を公平に行うという趣旨から、法定相続人の養子の数に制限が加えられています。
被相続人の孫を養子とした場合は、相続税が2割加算されます。
なお、次に当てはまる養子は、実子として扱われますので、人数制限はなされません。
1.被相続人との特別養子縁組により被相続人の養子となっている人
2.被相続人の配偶者の連れ子(実子)で被相続人の養子となっている人
3.被相続人と配偶者の結婚前に特別養子縁組によりその配偶者の養子となっていた人で、被相続人と配偶者の結婚後に被相続人の養子となった人
養子縁組には、特別養子縁組と普通養子縁組があります。
普通養子縁組とは、養子が実親との親子関係を存続したまま、養親との親子関係を作るという二重の親子関係となる縁組です。親子になる当事者の合意に基づいて届出をすることで成立します。戸籍上は養親との関係は「養子」と記載されます。
特別養子縁組とは、実父母及びその血族との親族関係を終了させて、完全に養い方の嫡出子として扱うもので、養子に出た者と実方の親族との間では、相互に扶養義務や相続権を有しないことになります。子が6歳未満で実親が養育できない場合に、家庭裁判所の審判によって成立します。戸籍上は養親との関係は「長男」などの実子と同じ記載がされますが、裁判確定に基づく入籍である旨は記載されます。