むち打ちについて

「むち打ち」とは俗称で、「むち打ち」という病名はありません。病名は外傷性頸・腰部症候群(TCS=traumatic cervical syndrome)、頚部挫傷、頚部損傷、頚部捻挫、頚椎捻挫、頚椎症、頚椎神経根症、頚部痛、頚椎椎間板ヘルニア、バレリュー症候群、胸郭出口症候群、脳脊髄液減少症等です。

むち打ちは自動車の普及と共に増加をしました。むち打ちは自動車事故のほかに労働災害やサッカー・ラグビーなどのスポーツ事故によっても引き起こされます。

むち打ちは、首が可動域を超えて屈曲したときに起こるとされていますが、必ずしもそうとはいえず、低速度で追突されたときなどでも発症します。

出会い頭の事故と停車時の追突事故では、追突事故の方が、身体の損傷が大きくなります。それは、不意に起きた衝撃に身構えることもできなかったことによります。

「むち打ちでは後遺障害は認められない」そんな声を聞くことがありますが、そんなことはありません。当事務所では多くの方が等級認定を受けていらっしゃいます。

むち打ちの多くは、過伸展または過屈曲で筋肉、靭帯、椎間板、血管等が損傷し、頸部や腰部に異常が発症します。

むち打ち症は後遺障害等級定申請上最も多い障害(それほど追突事故が多いことでもあります)ですが、MRIやCTでも異常が見られないことが多く、そうなると整形外科の医師は対応が淡白になる傾向があります。症状の原因が見つからなければ、根本的な治療ができず、鎮痛薬、消炎剤、筋弛緩剤、シップなどの対症療法と電気療法が主な治療方法になります。外見上は健康な状態と変わらなく見えて、むち打ちの辛さは他の人に理解されにくいものです。

むち打ち症の主な症状は、首の痛み、頭痛、手指の痺れ、痛みなどです。

むち打ち症の腰痛の原因としては、急性的椎間関節捻挫(ぎっくり腰)があります。

むち打ち症の問題点

①詐病と見られやすい。

②治療期間の必要性と相当性が問題となりやすい。

③慰謝料額が少ない。

むち打ち症の分類

①頚椎捻挫
むち打ち症の中で最も多く、70%を占めるといわれています。
頚椎の骨と骨の間にある関節包や骨の周囲にある靭帯などが損傷されたことにより発症します。
頚部の筋肉や靭帯、関節包の損傷によります。

脊髄に損傷がなく、強い自律神経失調症状(交感神経と副交感神経の二つから成り立つ自律神経のバランスが崩れた場合に起こる症状の総称)やはっきりした神経根症状(頚椎の神経根が障害されると、首から腕、指先にかけての痛みや痺れなどの症状が現れます)も見られない。主として頭痛、頚部の疼痛、頚項部筋肉の圧通、頚項部の運動制限を中心としたものです。

② 神経根症

神経根(脊髄の運動神経と知覚神経が集まっているところ)に障害がおこることにより症状が出現します。椎間板に変性がある場合に椎間板ヘルニアや骨棘が神経根を圧迫したり、神経根を取り巻く組織を損傷させて症状を出現させます。神経根の支配領域は明確なので、痛みとの整合性は証明されます。神経根の手術は危険なですので避けるべきだと思います。

③ バレ・リュ−症候群(交感神経損傷型)

頚部の自律神経機能に障害の発生している状態をバレ・リュー症候群と呼んでいます。

頭痛、眩暈、耳鳴り、吐き気、めまい、視覚障害、顔面感覚障害、発汗障害等の頸部というより、顔や頭に異常が発症します。頚椎の横突起孔の中を頭に向かって流れている椎骨動脈の収縮血流減少説が有力と考えられています。重症化傾向のむち打ちで、長期化や難治傾向があります。後遺障害残存立証も難しく、この症状が発症した被害者の方は、一般的なむち打ちと違うケースとお考え下さい。捻挫ではありません。
動脈と静脈も自律神経と似た症状が出ます。この根本原因もバレ・リュ−です。
軟部組織は治りますので、後遺障害とは無縁です。

事故直後は、首が痛い程度だったとしても、3〜4日後に発症したりします。

様々な症状に悩まされているうちに、精神状態が悪くなり、うつの症状まであらわれるケースもあります。

星状神経ブロック注射で頚部交感神経の過緊張を緩和させることにより効果が出ることが多いようです。

この領域の治療は、ペインクリニック、神経内科が担当します。

④ 脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群、脳脊髄液漏出症)

外傷等、身体への衝撃によって、硬膜から脳脊髄液が持続的ないし断続的に漏れ続け、髄液が減少することによって頭痛、頚部痛、めまい、吐き気、睡眠障害、耳鳴り、全身倦怠感、視機能障害等の多様な症状に慢性的に苦しめられる病気です。

脳脊髄液減少症は、起き上がると激しい頭痛となり、横になると頭痛が軽快する起立性頭痛を発症し、造影脳MRIを行うと脳を包んでいる硬膜が肥厚していることが特徴です。

患者本人の血液を採取し、硬膜と背骨の間にある脂肪組織に注入する「ブラッドパッチ療法」(硬膜外自家血注入療法)という治療法が有効といわれています。

ブラッドパッチ療法は自由診療ですが、入院等の治療費については保険適用となります。

見逃されている患者数は多く、脳脊髄液減少症に詳しい医師に診断してもらうことが肝心です。

◆検査

 造影MRI、RI脳シンチグラムの画像診断

◆診断基準

 平成23年10月、厚生労働省の脳脊髄液減少症の診断、治療法の確立に関する研究班がまとめた、「脳脊髄液漏出症画像判断基準」が、8つの学会で了承・承認されました。

むち打ち症の関連傷病

 変形性脊椎傷、脊椎椎間板ヘルニア、脊椎間狭窄症、胸郭出口症候群等。

むち打ちの検査方法

■神経学的検査

①腱反射テスト

 筋肉が急に伸ばされた場合、元の長さに戻そうとして収縮する反応を示します。腱をゴムのハンマーで叩き、その反射を調べます。反射が低下もしくは消失している場合は、末梢神経、神経根、馬尾が損傷している可能性があります。逆に反射が強い場合は、病的反射であり、中枢神経系の異常が考えられます。

②知覚検査(感覚検査)

 筆などを使って、触覚、痛覚、温度覚などを調べる検査です。神経に障害があると、知覚鈍麻や消失などが考えられます。知覚異常が出現した部位をそれぞれの神経の支配領域と照らし合わせることによって、神経の障害部位を探り出します。筋電図テストや神経電動速度テストをするか否かを見極めるための前段階のテストでもあります。

③ジャクソンテスト

 頭を後屈させて、上から押し付ける検査(神経根の出口を狭める)です。神経根障害の有無を調べます。障害があれば、神経根の支配領域に疼痛や痺れが発生します。スパーリングテストとセットで実施されることが多いです。

④スパーリングテスト

 頭を斜め後方に押し付ける検査です。頚部の神経根障害を調べます。障害があれば、神経根の支配領域(上肢)に放散痛や痺れが発生します。 

⑤徒手筋力検査(MMT:Manual Mascle Test)

 筋力が低下しているかどうかを徒手でする検査です。主に医師、理学療法士、作業療法士によって実施されます。

 神経が障害された時には、その神経に支配されている筋の筋力が低下します。筋力検査は、どの神経がどの部位で、どの程度障害されているのかを予測するために行います。

 まず、対象の筋を収縮させ、その状態を保持します。検者はその筋に伸張方向の徒手抵抗を加えます。その際の筋の収縮保持能力によって、段階付けします。

徒手筋力検査は、筋力を以下の6段階で評価します。

数的スコア 質的スコア 意 味
Normal(N) 検査者が被検者の肢位持続力にほとんど抵抗できない
Good(G) 段階5の抵抗に対して、被検者が抗しきれない
Fair(F) 重力の抵抗だけに対して、運動範囲内を完全に動かせる→客観的基準
Poor(P) 重力を取り去れば、運動範囲内を完全に動かせる
Trace(T) テスト筋の収縮が目で見て取れるか、または触知(しょくち)できる
Zero(活動なし) 視察・触知によっても、筋の収縮ができない

 主観的な判断による部分が大きいという弱点はありますが、筋力を大まかに把握するには有効な方法です。

⑥握力検査

 神経麻痺を起こすと筋力低下をきたすことから実施されるものです。

通常は一般的な握力計を用いますが、握力が著しく低下している場合には水銀血圧計を改良した握力計を用いることもあります。

 個人差はありますが、利き手の握力のほうが強いのが一般的で、利き手の握力が反対の手より極端に弱いようであれば異常が考えられます。

 頚椎の神経に異常があれば、握力の低下が現れます。

 握力検査は、意図して力を入れないことも可能なので、検査結果は参考程度にとどめられるとする意見もあります。

 「kg」で表示します。

⑦筋萎縮テスト

 神経の麻痺が継続することにともなって、筋は萎縮してゆきます。筋萎縮の程度を測るために、両上肢の上下10cmのところの上腕部と前腕部の腕周りを計測し、左右を比較します。痩せている場合は、むち打ちが疑われます。

⑧SLRテスト(Straigtht Leg Raising Test)(下肢伸展挙上テスト)

 下肢伸展挙上テストのことで、ラセーグテストの同じく神経根の異常や坐骨神経の障害の検査です。

 患者をあおむけにして、膝を伸ばした状態でき、検者は患者が痛みを訴えるまで下肢を挙上し、痛みの出る角度を測ります。

 正常の場合、70度〜90度程度まで足が上がりますが、坐骨神経に障害がある場合、臀部や大腿後面から下腿後面に疼痛が生じ、足を上げることができません。腰椎椎間板ヘルニアの場合、30度も上がらない場合があります。

 同じ神経の圧迫でも、狭窄症によるものであれば、痛みません。

⑨ラセーグテスト(坐骨神経伸展テスト)

 ヘルニアによって坐骨神経に問題が生じていないかを調べる整形外科的検査です。

 患者を平らな場所に仰向けにし、検査する側の脚の股関節と膝を曲げた状態で挙上します。股関節と膝関節を屈曲させたときには痛みが生じないのに、膝関節を伸展させたときに痛みが生じた場合は坐骨神経由来の痛みが疑われます。

 坐骨神経痛でも痛みを感じない患者もいるそうなので、100パーセントの信頼性はありません。

 股関節屈曲、膝関節伸展の過程でハムストリングスも伸ばされますので、ハムストリングスに痛みが発出した場合などは、ハムストリングスの異常が疑われます。 

⑩椎間孔圧迫テスト(Kempt test)

 検者は患者の背後に立ち、座位の患者の頭頂部を上から押しながら正面、左右に旋回します。

 局所的な痛みが発生した場合には、神経根の圧迫や関節包炎を伴わない椎間関節の椎間孔のトラブルを示唆し、放散痛は椎間孔を小さくしたり、椎間板の損傷によって神経根が圧迫されていることを示します。

⑪ブラガードテスト(Bragard test)(坐骨神経伸展増強テスト)

 椎間板ヘルニアや坐骨神経痛を調べるための検査のひとつです。

SLRの肢位で痛みが現れたとき、膝を伸ばしたままの状態で5度下げて足関節をそらせます(背屈)。これにより坐骨神経の更なる伸展を行います。大腿後側や下腿に痛みや痺れが増すと陽性です

ハムストリングス(下肢後面を作る筋肉の総称)・脹脛(ふくらはぎ)の緊張で痛みが出ているのであれば偽陽性です。

⑫ケンプテスト(Kemp test)(腰部疾患検査)

整形外科学的検査の一つです。 

患者の両肩に手を置き、患者の体幹を回旋しながら左右の斜め後方に伸展させます。旋回させながら伸展することにより、腰椎の神経の出ている隙間を狭くして、異常がないかを確認するテストです。伸展側に疼痛が出れば陽性です。

⑬肩引き下げテスト(shoulder depression test)

 整形外科的検査です。

 頭部を健側に側屈させながら患側の肩を下方へ押し下げることによって頚部を伸ばし、放散痛や痺れが発生しないかを検査します。

 検査側の痛みは、神経・血管束に圧迫があることを示唆し、筋・筋膜の拘縮、硬膜の癒着も考えられます。

⑭ボンネットテスト(Bonnet sign)(腰部疾患検査)

 ラセーグテストで陽性になった場合に、それよりわずかに下肢を下げて、痛みが消失したところで、股関節を内転・内旋します。臀部や下肢の後ろ側に疼痛が増悪すれば陽性です。

 ハムストリングス緊張では下肢を内展内旋しても疼痛は増強しません。

 ラセーグテストの結果と同様に陽性の場合は椎間板ヘルニアを示します。

⑮伸延テスト

 座位の患者の頭部を両手で持ち上げ、頚部にかかる重量を除きます。頚部を右回旋、左回旋した状態でも同様に行います。

痛みが出る場合は、筋挫傷、筋・筋膜の短縮による伸張痛が疑われ、痛みがなくなる場合には、椎間孔圧迫、小関節包炎が疑われます。

⑯FNSテスト(Femoral nerve stretch test)(大腿神経伸張テスト)

 患者を腹臥位にして、膝を90度に屈曲させ股関節を過伸展するように持ち上げます。陽性だと股関節、大腿前面等に疼痛が生じます。

 腰髄神経の神経根障害を調べる検査です。

⑰腰椎穿刺検査(ようついせんしけんさ)(髄液検査)

 両手で両膝を抱えて横向きになり、腰部の脊髄腔に針を刺して髄液(正式には脳脊髄液といいます)を5〜10cc採取し、その髄液の液圧、外観、細胞数、糖やたんぱく質の量を調べることで、異常がないかどうかを調べる検査です。

 原因不明の意識障害や髄液変化の神経疾患、髄膜炎やくも膜下出血等の有無を調べます。

 局所麻酔をしても痛いそうです。

実際の医療現場では、神経学的検査が行われていないことが多いことに気をつけなくてはなりません。

■画像検査

①レントゲン(X-P)検査

 レントゲンは骨の異常をを診るには適していますが、血管、神経、椎間板等、何部組織は写らないので、その異常を見る事はできません。

事故に遭って、最初に診てもらった整形外科の医師が、MRIやCTの画像を撮るまでもないと診断しますと、異常の診られない画像だけが事故当時の証明画像となり、後遺障害の認定には大変不利なものとなります。因果関係を問われた場合に、レントゲン画像では弱いものがあります。

被害者と我々が出会うのは、事故から数ヶ月経過してからのことが多く、その時点で鞭打ちの症状を述べられて、レントゲンしか撮ってもらってないと聞くと、頭を抱えてしまうこともあります。

むち打ちの症状があるケースでは、CTかMRIを撮っていただきたいものです。

②CT検査(Comography Tomography:コンピューター断層撮影法)

 X線吸収の度合いの差を利用して、横断面の画像を、コンピューター計算により作り出すものです。脳挫傷や頭蓋内出血腫等を短時間で検査するのに威力を発揮します。造影剤を使用しないで検査する単純CT検査と、造影剤を注射して検査する造影CT検査の2種類があります。

③MRI検査(磁気共鳴画像)

 磁石と電磁波を使って人体の断面を撮影する検査です。 横断面だけでなく、矢状面、冠状面も画像化できます。

水に反応するもので、水分の少ない骨よりも軟部組織(血管、神経、椎間板等)をよく映し出します。

X線を使わないため、被爆の心配がありません。

MRIの磁力の大きさを表す単位をテスラといいますが、このテスラの数値が高ければ高いほど鮮明な画像が出来ます。

ペースメーカーのある患者は検査できない、検査時中の轟音が耐えられない(耳栓は渡されます)、閉所恐怖症の人は検査できないなどの欠点はあります。

■理学的検査

①筋電図検査(EMG)

 筋肉の収縮に伴って発生する電位を測定・記録する検査法です。筋肉に力を入れていないときには電位を発生していませんが、筋肉や神経に何らかの疾患がある場合には異常な電位が発生するケースがあります。

針電極を検査筋に刺入します。刺入時、安静時、最小収縮時、最大収縮時の各電位をみます。

②神経伝達速度検査(NSC:Nerve Conduction Study)

 腕や脚の運動神経と感覚神経に沿って複数の針電極を刺すか表面電極を付着し、末梢神経や筋を電気刺激して、神経の活動電位や時間差を記録して、運動神経伝導速度(MCV)や感覚神経伝導速度(SCV)を測定します。神経に異常があれば、伝導速度が遅くなったり、画面上での波形の高さが低くなったりします。

③皮膚温検査

末梢神経の障害は抹消の血流に影響を与え、皮膚温の低下を起こす場合があります。検査には、サーモグラフィーなどが使われます。

※筋電図検査や神経電動速度検査などの電気生理学的検査は、神経内科の領域となります。

■補助診断

①脳波検査(EEG)

 脳が活動しているときに生じる微弱な電気活動の波形を記録するものです。脳に異常があれば、異常な脳波を発します。

②平衡機能検査

 平衡機能とは身体のバランスをとる機能のことです。

 平衡機能障害の原因を大別すれば、内耳を含めた末梢神経系の障害と中枢神経軽の障害とがあります。

 めまいの原因が、体のどの部位の異常から起きているのか、または重症度を調べます。

検査方法

① フレンツェル眼鏡(潜在的な眼振を含む眼球運動、瞳孔不同の観察に用いられる凸レンズで出来た眼鏡。赤外線眼鏡は精度が高い)を用いて、めまいの際に見られる眼の異常な動き「眼振」をとらえることで、三半規管、耳石器(じせきき=頭や体の傾きを感知する)、皮膚深部知覚、脳等を総合的に検査し、めまいの原因をさぐる方法。

② 眼のまわりに電極を取り付け、電気眼振計を用いて眼の動き(一箇所を注視したり、頭を前後左右に動かす)を記録し、めまいの状態や程度を検査する方法。

自賠責保険における等級認定

① 頚椎捻挫
症状が残存していない場合には、後遺障害が非該当となることが多いです。症状が残存していても14級9号である場合が多いです。

② 神経根症
神経根(脊髄から枝分かれした末梢神経のこと)が損傷していることを諸検査によって、医学的に証明できれば、12級13号が認められます。

③ バレ・リュー症

諸検査等により身体の異常から障害が発生していることを医学的に証明できれば、12級13号が認められます。しかし、バレ・リュー症と診断されても、自覚症状のみの場合は14級9号に認定されます。

バレ・リュー症は、ペインクリニックの星状神経節ブロックで改善が得られます。

むち打ちは、急性期であれば患部のアイシングをします。症状が落ち着くと、電気療法、温熱療法、マッサージ等で治療をします。

受傷から4ヶ月経過しても、自覚症状が残っている場合には、後遺障害認定の可能性があると思います。
後遺障害診断書を保険会社に出せばよい。間違いではありませんが、証拠不足になることが考えれれます。

むち打ち症は事故の数時間後、あるいは翌日以降にむち打ちの症状が出ることがあります。身体の変化に注意することが肝心です。

軽い追突であっても、症状が出ることがあります。

症状は、首筋、背中、肩の凝りや痛み、痺れ、発熱、上・下肢の痛みや痺れ、腰痛、頭痛、頭を動かせる範囲が狭くなる、運動障害、視力障害、耳鳴り、倦怠感、脱力感、疲労感、不眠、食欲不振、眩暈、息切れ、吐き気などあり、衝撃の度合いとによっても異なります。

1ヶ月以内で症状が治まることが多いのですが、半年以上しても症状が治まらない場合もあります。

倦怠感が高じて、うつの症状を発生することもあります。「うつ」については現在研究しておりますので、機会を見て詳しく書いてみます。

XP、MRIなどの断層画像に異常が見られないと、親身に治療をしてくれない整形外科医もときにはおられます。そのことが医師に対しての不満や自身の不安になることが多くなります。毎年数え切れないほどの事例が出ていることなので、医学上関係ないということで片付けられない時代が早く来てほしいものです

頚椎捻挫や腰椎捻挫の後遺障害等級は、12級13号または14級9号です。バレリュー型の場合は、12級が認定されます(ただし、自覚症状のみの場合は14級です)。後遺障害等級に該当しないと判断されてしまうことも多くあります。症状に対する一貫・連続性が重視され、雨の日はは痛むという場合などは連続性がないとして、非該当となります。

外傷性ヘルニアで痺れ等の神経症状がある場合には、MRIで確認が出来る場合があります。

的確な主張と医学的資料をそろえることができれば、非該当になった案件でも異議申し立てにより後遺障害等級認定を受けることに挑戦すべきです。

非該当の理由

・画像上、外傷性の所見が見られない。

・他覚的所見に乏しい。


後遺障害等級12級と14級は共に「局部に神経症状を残すもの」ですが、「頑固な」という文言がついているかで等級を分けられます。「頑固」とは器質的損傷が画像で確認できることです。

12級と14級の差異は、痺れなどの神経症状が医学的に証明できるかどうか、医学的に説明可能なものかによります。

12級に認定されるためには、「多角的所見を医学的に証明する」ために、画像や精度の高い医療調査が必要です。CT・MRI・筋電図検査等によって証明することです。

自賠責保険金は、12級で224万円、14級で75万円です。

むち打ち(頚椎捻挫,腰椎捻挫)の後遺障害について

通院も6ヶ月が近くなると、保険会社の担当者が、突然、「○○月末で治療費を打ち切ります」と連絡してきます。外傷がない場合は3ヶ月で連絡が入ります。未だ痛みや痺れの続く被害者はたまったものではありません。

担当者が「打ち切り」打ち切りを切り出すのは、治療開始時に被害者から取り付けた同意書をもって医療機関から資料を取り寄せ、その資料を顧問の医師に見てもらって判断しています(中には担当者が判断しているのではないかと思えることもあります)。

同意書は治療費の支払いを保険会社のしてもらうための必要なものですが、上記のような被害者の知らないところで医療照会をされたすることも多いです。同意書を書く前にご相談ください。

自賠責保険の人身障害部分の限度額は120万円までです。120万円の範囲に納まっていれば保険会社も黙っているかもしれませんが、それを超える額が増えるほど保険会社の支出が増えるわけですから、強烈な払いしぶりを開始します。被害者の体のことは二の次になってしまうのかもしれません。

この場合大切なのは医師の判断です。保険会社から治療中止を言われても、医師が治療継続の必要を認めていれば、保険会社の治療継続を主張します。それでも治療費が打ち切りになるようであれば、健康保険に切り替えて治療を続けるべきです。領収書は必ず保管しておいてください。

事故に遭ったばっかりに収入が減り、治療費等の支出が増えれば経済的な不安から示談をしてしまう被害者も多いのですが、その前に是非ご一報ください。

医師は後遺障害を意識して治療しているのではありません、障害が少しでも改善するために、その知識経験を駆使しているのです。その医師が「もうこれ以上良くも悪くもならない」と判断すれば、その医師の判断を尊重するべきだと考えます。

治療を継続しても症状の改善がみられなければ、後遺症とし、医師に後遺障害診断書を作成してもらった上で後遺障害等級の認定申請をします。 

労働能力喪失期間

多くの場合、12級で10年、14級で5年以下とされています。 

西洋医学と東洋医学

整形外科は西洋医学に基づき、整骨院は東洋医学に基づきます。 私は以前から双方の良さを患者のための役立てられたらよいのにな、と思っていますが、なかなか受け入れがたい根があるようです。

ペインクリニック

むち打ち等交通事故での傷病は、痛みを伴うことが多くあります。この痛みを取り除く専門外来が「ペインクリニック」と呼ばれています。

主に神経ブロック法を行って治療を行いますが、薬物療法、理学療法、電気刺激法、東洋医学療法等も併用されます。

痛みを感じる部分が興奮し、その刺激が脳に伝わり痛みを感じます。痛みの刺激により、筋肉、血管が収縮し、血流が悪くなります(痛みの悪循環)。このような状態が長く続くと痛みが取れにくくなります。

神経ブロック

神経ブロックとは、麻酔を用いた治療法の一種です。専門の麻酔科医氏が施術を行います。

神経に直接又はその近くに局所麻酔薬を注入し、神経の興奮伝導を遮断してしまう療法です。ブロック注射とも言われます。

痛みが発生すると、交感神経が緊張し、末梢の血管は収縮して血行が悪くなります。

局所麻酔薬で交感神経がブロックされると、末梢の血管が拡張して決行がよくなり、患部を回復させる酸素や栄養を有効に送ることができると、自然治癒力が高まります。また、知覚神経がブロックされると患部の痛みが緩和されます。神経ブロックの効果が一時的なものでなく、局所麻酔薬が作用する時間以上に長く続くのは、「痛みの悪循環」を断ち切るためだといわれています。

「神経をブロックする」そのような言葉に抵抗を感じられる方もおられるかもしれませんが、痺れや動けなくなるなどの副作用はありません。若干の痺れ等が起こったとしても、1時間ほどの安静で取れてしまいます。局所麻酔薬は短時間で、体内で分解されます。

患者が、医師や神経ブロック療法のことを疑いながら施術を受けても、恐怖心に負けて効果が薄らぎます。納得のいくまで医師と相談した上で施術を受けてください。どうしても受け入れられない場合には、他の治療法を選択するべきです。

神経ブロック療法は、一回の施術で痛みが完治されるわけではなく、施術は数度行われます。

ブロック療法は、健康保険が適応されています。

種類

・星状神経節(せいじょうしんけいせつ)ブロック

 神経線維の末梢神経や交感神経節に、局所麻酔薬を注入し、痛みの伝達をブロックし、人が本来持って  いる自己治癒力を高める治療法です。交感神経ブロックとも呼ばれます。

 局所麻酔薬が効いている間、脳をはじめとする支配領域の血行がよくなり、機能低下していた様々な器官が機能回復するのを助けます。一般的には、専門の麻酔科医師が治療を行います。

 星状神経節(星のような形をし、飯粒くらいの大きさ)は首の付け根付近(第七頚椎の横)の左右にあります。交感神経節ブロックとも呼ばれます。

 首の付け根の左右には、頭部、首、肩、腕、心臓、肺などを支配している交感神経が集まっているため施術の応用範囲が広く、神経ブロック療法の中では最も多く行われている方法です。

 星状神経節ブロックは、鎮痛作用のほかに自律神経やホルモン分泌のバランスを整え自己治癒力が高まる効果があります。

 ブロック注射のあと、声がかすれる、ものを飲み込みづらい、といった症状がみられることがありますが、これらは一時的なものなので心配はいりません。

 一度の注射で効果は3日くらい続きます。

 副作用がないことは星状神経節ブロック療法の特徴です。

・硬膜外ブロック

 硬膜と黄色靭帯との隙間に硬膜外腔がありますが、ここに注入した局所麻酔薬の浸潤で痛みをブロックします。

 腰痛の場合、腰椎の棘突起の間から注射する「腰部硬膜外ブロック」と、臀部の仙骨裂孔から注射する「仙骨硬膜外ブロック」とがあります。

 頭部、顔面以外のあらゆる傷みに対応できます。処置時間は約10分くらいです。

・神経根ブロック

 造影剤を注入し神経根の状態を観察した後、脊髄神経から枝分かれしている神経の根元に局所麻酔薬を注入します。

・トリガーポイント注射(Trigger point injection)

 トリガーポイント(トリガーとは引き金の意味)とは、強く痛みを感じている点のことで、痛みのポイントに直接、局所麻酔薬やステロイド薬を注射する方法です。

この注射は細い針を使用し、注射の深さも浅いものなので怖がらなくても大丈夫です。

トリガーポイント注射は保険適用が認められています。

・椎間関節ブロック

 安静時には痛みがないのに、歩行すると郷土の痛みが発出するようなケースで、椎間関節に局所麻酔薬やステロイド剤を注射するる方法です。

 治療として行われることは当然ありますが、腰の痛みが椎間関節由来かどうかを診断するためにも行われます。

神経ブロックの特徴

①薬による前進的な副作用がありません。

②人間の体の本来備わっている自然治癒力を活性させます。

③西洋医学と東洋医学を融合させた施術です。

④薬は数時間で対外へ放出されるので体に悪影響がないとされています。 

ペインクリニックを検討したい症状

外傷性頸部症候群、頚部椎間板ヘルニア、頚椎症、腰痛症、腰部椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症等です。 

労働能力喪失期間

労働能力喪失期間の起算日は、症状固定時で、終期は67歳が原則(ただし、症状固定時から67歳までの期間が、症状固定時から平均余命の2分の1の期間よりも短くなる方については、平均余命の2分の1の期間で計算します)です。ところが、鞭打ちの後遺障害では、労働能力喪失期間が制限されることが多いのです。

むち打ちの労働能力喪失期間について、14級9号では5年以下、12級13号では5〜10年程度の期間が目安です。後遺障害が完全に治らないまでも、その状態に慣れたり、ある程度症状が改善すると考えられて、当初の5年、10年のみ労働能力が喪失したとする捉え方です。

むち打ち被害者のサポート

むち打ち被害者は、事故から一定の時期が来ると、保険会社の担当者から治療費の打ち切り、症状固定の確認、休業補償の打ち切り等、症状が続いているにもかかわらず、頻繁に電話がかかってくるようになり、それでなくても陰鬱な日が更に重苦しい日々になってしまいます。

むち打ちは後遺障害の認定認定が取れにくいものとされています。サポートをする専門家もやや少なくなりますが、私が今日まで培ってきたものを被害者のために少しでも役立てることが出来れば、という思いは捨てきれません。

不可能なことは可能にはなりませんが、可能性があれば追ってみたいのです。被害者と共に。

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