交通関連よもやま

@毎年100人に1人が人身事故の被害者

A醜状痕の労災等級認定で男女差を設けるのは違憲

B社員の飲酒運転における使用者責任

C飲酒運転事故

D実況見分調書

E交通事故の場合の付加点数

F点数が計算される期間

G運転免許の取り消し・停止処分が行われるとき

H駐車場内での事故

I道路は寝る場所ではない

J自動車事故の被害者になったならば

K人身事故

L人身事故に伴う刑事処分

M人身事故に伴う行政処分

N身事故に伴う民事上の責任

O示談書の免責条項

P則金と罰金は違う

Q略式裁判

R療費打ち切り通告

S自動車保険料値上げ

21.警察に提出する診断書

22.駐車場内での事故における責任

23.飲酒運転と社会的制裁

24.反則金の納付率

25.飲酒運転における運転者以外の責任

26.車両の使用制限命令制度

27.準危険運転致死傷罪

28.任意保険非加入の業務用車

29.被害者参加制度

30.サンキュー事故  *

31.代行運転中の事故

32.飲酒運転の罰則

33.車検切れ

34.人身事故の付加点数

35.一定の病気等と運転免許

36.無免許運転等の罰則の引き上げ等

 

 

@毎年100人に1人が人身事故の被害者


交通事故による死者数は減少傾向にあるそうです。

ただし、警察庁が公表する交通事故の死者数は、事故発生から24時間以内に死亡した人数であり、24時間を過ぎて亡くなった方の数は含まれていません。ちなみに、厚生労働省の統計では、1年間に交通事故を直接の原因として死亡した人数をすべて計上しています。

負傷者数は増え続けており、毎年、国民100人に1人がその被害のあっているそうです。

 

A醜状痕の労災等級認定で男女差を設けるのは違憲


2010年5月27日、京都地方裁判所は、労働災害で顔にやけどの傷跡が残った男性に対して、同じ後遺障害なのに男女で異なる後遺症等級基準を国が適用したのは、法のもとの平等を定めている憲法第14条に違反しているとして、労災基準による後遺症等級認定に基づく労災給付処分を取り消す判決を言い渡しました。

 

B社員の飲酒運転における使用者責任


飲酒運転による悲惨な事故が後を立たないことから、最近は罰則や取締りの強化と共に、社会の飲酒運転に対する目もいっそう厳しいものになっています。そしてその厳しい目は使用者である会社の飲酒運転に対する防止努力の姿勢まで注がれるようになってきました。実際に事故が起きたとき、たとえそれが私有の車であったとしても、マスコミ等で会社名が流されたりした場合、会社のイメージは大きく損なわれるだけでなく、日ごろの飲酒運転に対する会社の姿勢までもが問われることになります。
もはや「私生活上のこと、業務とは関係ないこと」として使用者責任を逃れることはできなくなっています。

 

C飲酒運転事故


アルコールは、中枢神経系に作用し脳の神経活動を抑制します。

飲酒等により血中または呼気中のアルコール濃度が一定値以上の状態で運転することを酒気帯び運転といい、アルコール濃度の数値に関係なく運転能力を欠く状態での運転を酒酔い運転といいます。

平成11年11月28日、東名高速上り車線で、渋滞の列の最後尾の乗用車に、トラックが追突し、1歳と3歳の幼い姉妹が焼死しました。トラックの運転手は飲酒運転の常習者で、当日もウイスキー1瓶(750ml入り)とチューハイを飲んでいました。トラックの運転手は業務上過失傷害罪などの罪に問われ(当事は危険運転致死傷罪は存在していませんでした)、懲役4年の判決(東京地方裁判所)が確定しました。この死亡事故を契機に、危険運転致死傷罪が新設されるなど飲酒運転に対する罰則が強化されました。

危険運転致死傷罪を主な内容とした刑法の一部の改正は、平成13年12月25日に施行されました。

刑法第208条の2

1 アルコールまたは薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ、人を負傷させたものは15年以下の懲役に処し、人を死亡させたものは1年以上の有期懲役に処する。その進行を制御することが困難な高速度で、またはその進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させ、よって人を死傷させた者も、同様とする。

2 人または車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人または車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転し、よって人を死傷させた者も、前項と同様とする。赤色信号またはこれに相当する信号をことさらに無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転し、よって人を死傷させた者も、同様とする。

※本規定は四輪以上の自動車に適用され、大型であっても二輪車には適用されません。

※「薬物」とは、麻薬、覚せい剤等の規制薬物に限らず、シンナーや睡眠薬など、正常な運転を困難にする薬理作用のあるものを意味します。

※自動車運転過失致死傷罪の刑の上限は懲役7年です。

※「有期懲役は、1月以上20年以下とする。」と規定されていますので、「1年以上の有期懲役」とは、「1年以上20年以下の有期懲役」ということになります。

 

日本における交通死亡事故は近年減少傾向にあり、飲酒運転による死亡事故も2000年度をピークに減少してきました。

ところが、2006年8月25日、福岡市東区の海の中道大橋での幼児3人死亡事故が発生しました。

それからというものは、飲酒運転で検挙された新聞記者や公務員が懲戒免職になるケースが続発しています。飲酒運転に関して公務員の場合、懲戒の基準を引き上げ、人身事故、酒酔い運転は免職が通常の懲戒処分となっています。

しかし、本罪が故意犯として規定されたことから、危険運転致死傷罪を問うには、「故意に危険な運転をしたこと」を立証しなければならず、この立証が大きな壁になっているようです。

危険運転致死傷罪が適用されるケースは極めて少なく、交通事故の遺族などから、適用範囲を広げてほしいという要望が出されています。

飲酒運転の責任は、ドライバーだけでなく、酒を勧めたり、飲酒運転を知っていながら同乗した人も違法行為を幇助した責任が問われます。

飲酒運転での事故は、交通事故の1.6%だそうです。

道路交通法第65条第1項は、「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない」と規定しています。同法上の「車両等」には自動車等だけでなく自転車等の軽車両も含まれていますが、罰則規定がありません。

■行政処分

酒気帯び運転は、呼気中アルコール濃度0.15mg以上で違反点数13点、0.25mg以上で25点が課されます。

酒酔い運転は、違反点数が35点になっています。

※検査の結果、基準値を超えている場合には、警察官は再検査に応じてはくれません。ご注意の程。

■刑事罰

酒酔い運転は、「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」

酒気帯び運転は、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」

酒酔い運転下命容認は、「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」

酒気帯び運転下命容認は、、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」

飲酒検知を拒否した場合は、「3月以下の懲役または50万円以下の罰金」

危険運転致死罪の適用で有罪となれば、1年以上の有期懲役に処される。

※下命容認とは、使用者・事業主等が違反運転を運転手に命じたり、運転手が違反運転をすることを知っていながら容認すること。

認識している人は少ないかもしれませんが、軽車両の運転も刑事罰の対象です。

 

D実況見分調書
 
実況見分調書とは、人身事故の直後に警察が刑事事件として現場調査を行い、それを詳細に書面化にしたものです。200分の1に縮小した事故現場見取り図を作成し、写真を添え、当事者の行動の説明をつけます。事故現場見取り図をもとに、当事者が事故に至るまでの経緯を説明し、。それを警察官が書き写したものが供述調書です。 実況検分が行われないと事故証明は発行されません。
交通事故、それが人身事故であった場合、「実況見分調書」は重要な書類になります。証拠としての書面になりますので、当然ながらその事故の裁判においても、示談交渉においても影響を与えることになります。

物損事故の場合は、物件事故報告書という書類が作成されるのみで、実況見分調書は作成されません。
実況見分調書には、次のような内容を記します。

@事故発生の日時 
A見分の日時
B事故の場所
C作成者、補助者(実況見分を補助した警察官)
D立会人の当事者の氏名、住所、本籍
E立会人の支持説明
F現場の道路状況
G運転車両の車種、車両登録ナンバー、年式、長さ、幅
H保険会社、保険証番号

 

Eの「立会人の支持説明」とは、最初に相手を発見した地点、危険を感じた地点、ブレーキを踏んだ地点、相手と接触した地点を記載します。
Fの現場の道路状況とは、路面は乾燥しているか否か、平らであるかどうか、カーブや上下の坂道か、交通規制の有無など。
 
実行検分調書には上記の内容に加え、交通事故の現場の見取り図や現場の写真などが添付されます。
交通事故当時の生々しい写真、詳細な見取り図、当事者の直筆の供述書や指紋認識カード等が作成されます。
実況見分調書は刑事裁判において最も重要な証拠として取り上げられます。
示談交渉や民事裁判の場合でも、過失割合の認定などに大きな影響を与える根拠となります。
よって、実況見分には必ず立ち会ってください。

刑事処分が確定すれば、警察で「送致日」「送致番号」「事件番号」「送致先検察庁」を確認。送致先検察庁の記録係で「送致日」「送致番号」を伝えて、記録の謄写を依頼します。(起訴猶予、不起訴処分でも、実況見分記録+交通事故現場見取り図は公開されます)
実況見分調書の閲覧謄写は、郵送の受付はされません。
そして入手した、「実況見分調書」と「交通事故現場見取り図」を検証して、矛盾点を指摘することになります。
実況見分記録、交通事故現場見取り図には、
@相手があなたを発見した位置
A危険を感じた位置
B事故を回避した位置
C衝突した位置
が200分の1表示の地図として再現されて記載されています。

実況見分調書は刑事事件の証拠として、書類送検されるものです。
加害者を起訴して裁判にするかどうかは、検察官が決めます。
最終的な刑事処分は、裁判所が裁定を下します。
被害者の怪我の程度によっては刑事処分・行政処分に違いが出ます。
刑事処分の決定には、被害者の感情が考慮されます。
被害者は「厳重な処罰」「寛大な処置」どちらを望むかを調書をとる警察官に問われます。
その時点で迷っている場合には、「法律に則った処分を希望します」と答えてください。

 

E交通事故の場合の付加点数

 

 付加点数とは基礎点数に加えられる点数です。

 

 事故の種別 不注意の程度 
 専ら  専ら意外
 死亡事故  20点  13点
 治療期間が3月以上又は後遺障害事故  13点  9点
 治療期間が30日以上3月未満の傷害事故  9点  6点
 治療期間が15日以上30日未満の傷害事故  6点  4点
 治療期間が15日未満の傷害事故  3点  2点
 建造物損壊事故  3点  2点

 

 

 

・「専ら」とは、交通事故が当該違反行為をした者の「専ら」の不注意によって発生したものである場合です。専ら以外はそれ以外の事故です。

重症とは治療期間が30日以上の負傷をいい、軽傷とは治療期間が30日未満のものを言います。

 

措置義務違反の付加点数

 措置業務違反の種別  点数
 死傷事故の場合の救護措置義務違反(ひき逃げ)  23点
 物損事故の場合の危険防止等措置義務違反(当て逃げ)  5点

 

F点数計算

点数計算は過去3年以内の違反・事故の点数を合計します。合計点数が一定の基準に該当したときに、免許の停止や取消または免許の保留や拒否の行政処分が行われます。
ただし、次の場合には、それ以前の交通違反の点数は加算されません。

○ 無事故・無違反の期間(運転可能期間に限る)が1年以上あるとき。
○ 運転免許の取り消しや停止の行政処分を受けて、無事故、無違反で過ごしたとき(累積点数は0点になりますが、停止前歴がつきます)。

○違反者講習の通知を受け、当該講習を受講したとき。

○ 過去2年間(ゴールド免許を含む)違反行為をしたことがない者が軽微な違反行為(3点以下の交通違反)をした場合で、当該軽微な違反行為をした後、3ヶ月間に違反行為をしたことがないとき。(運転可能期間に限る)

 ※ゴールド免許:過去5年以上無事故無違反

○ 違反者講習を受講したとき。
 ※運転可能期間:免許の効力が停止されていた期間を除く期間。 

G運転免許の取り消し・停止制度

自動車または原動機付き自転車を運転して、過去3年以内の運転免許の取り消し・停止回数によって、処分が行われます。処分期間は次表のとおりです。
ただし、免許取り消し保有者は、欠格期間が延長されます。

○ 免許の取り消し
 平成21年6月の法改正により、免許取消の期間が最長5年から、最長10年までに引き上げられました。免許取消の場合は、最初から運転免許を取り直さなくてはなりません。

 

過去3年以内の

運転免許停止等

の処分回数

欠格期間 ( )は運転免許取り消し保有者

3年

(5年)

4年

(6年)

5年

(7年)

6年

(8年)

7年

(9年)

 なし 35点〜39点 40点〜44点  45点〜49点  50点〜54点  55点〜59点 
1回  −  35点〜39点  40点〜44点  45点〜49点  50点〜54点 
2回   −  − 35点〜39点  40点〜44点  45点〜49点 
3回以上   −  −  − 35点〜39点  40点〜44点 

 

過去3年以内の

運転免許停止等

の処分回数

欠格期間 ( )は運転免許取り消し保有者

8年

(10年)

9年

(10年)

10年
なし  60点〜64点 65点〜69点  70点以上 
1回  55点〜59点 60点〜64点  65点以上 
2回  50点〜54点 55点〜59点  60点以上
3回以上  45点〜49点  50点〜54点  55点以上

 

 ※欠格期間とは、免許の試験を受けることのできない期間をいいます。ただし、仮免許を除きます。

 

一般違反行為

 

 過去3年以内の

運転免許停止等

の処分回数

欠格期間 ( )は運転免許取り消し保有者 

1年

(3年) 

 2年

(4年)

 3年

(5年)

 4年

(5年)

 5年
 なし  15点〜24点  25点〜34点  35点〜39点  40点〜44点  45点以上
 1回  10点〜19点  20点〜29点  30点〜39点  35点〜39点  40点以上
 2回  5点〜14点 15点〜24点  25点〜29点  30点〜34点  35点以上
 3回以上  4点〜9点  10点〜19点  20点〜24点  25点〜29点  30点以上

 

○ 免許の停止

 累積点数が6点以上に達すると、下表の基準に基づいて免許停止の処分を受けなければなりません。

 違反者講習の対象となった場合は、当該講習を受講しなかったときに停止処分となります。

 

過去3年以内の

運転免許停止等

の処分回数  

停止期間     
 30日  60日 90日   120日  150日
なし  6点〜8点  9点〜11点  12点〜14点   − − 
1回  −  4点〜5点  6点〜7点  8点〜9点   −
2回  −   − 2点  3点  4点
3回  −   −  − 2点  3点
4回以上   −  − −   −  2点

 

過去3年以内の

運転免許停止等の処分回数

停止期間
 180日
 なし  −
 1回  −
 2回  −
 3回  −
 4回以上  3点

 

※免許の取り消し・停止処分に該当すると、運転免許センターから通知書が送付されます。

※免許停止期間が終了した時点でそれまでの累積点数は再び0点からの計算になります。 過去にいかなる違反歴があっても1年間無事故無違反であれば、前歴0回、累積点数は0点となります。

 

免許の取り消し処分が行われるとき

例1 処分前歴なしの場合

 

酒酔い運転
35点

 

=3年間取り消し

 

◆意見聴取

交通違反による累積点数により免許の取り消し処分又は90日以上の免許の停止処分の前に、都道府県の安委員会又は警察本部長の主催する公開による「意見の聴取」(点数制度による場合)、「聴聞」(点数制度によらない場合)が行われます。

意見の聴取の期日の1週間前までに、当該処分にかかる者に対し、「処分をしようとする理由」「意見聴取の期日」「意見聴取の場所」の通知(出欠の確認)を郵送し、かつ、期日及び場所が公示されます。

意見の聴取は個室で行われるわけではなく、一定の人数が一斉に同じ部屋で行われます。誰でも傍聴でき、被聴取者は有利な証拠の提出ができます。意見を聴取するのは、都道府県公安委員会の委員、又は公安委員会から委任された警察官です。

処分を受ける人又は代理人は、処分理由について意見を述べ有利な証拠の提出をすることができます。

ただし、意見を述べることができる時間は限られていますので、伝えたいことがある場合には、予め、「上申書」や「嘆願書」を用意したほうがいいでしょう。

「意見の聴取」に出頭すると、その日のうちに処分が執行されます。

 

道路交通法第104条

1 公安委員会は、第百三条一項第五号の規定により免許を取り消し、または免許の効力を九十日(公安委員会が九十日を超えない範囲内においてこれと異なる期間を定めたときは、その期間。次条第一項において同じ。)以上停止しようとするとき、又は同条第二項(同条第四項において準用する場合を含む。)の処分移送通知書(同条第一項第五号に係るものに限る。)の送付を受けたときは、公開による意見の聴取を行わなければならない。この場合において、公安委員会は、意見の聴取の期日の一週間前までに、当該処分に係る者に対し、処分をしようとする理由ならびに意見の聴取の期日及び場所を通知し、かつ、意見の聴取の期日及び場所を公示しなければならない。

2 意見の聴取に際しては、当該処分に係る者又はその代理人は、当該事案について意見を述べ、かつ、有利な証拠を提出することができる。

3 意見の聴取を行う場合において、必要があると認めるときは、公安委員会は、道路交通に関する事項に関し専門的知識を有する参考人又は当該事案の関係人の出頭を求め、これらの者からその意見又は事情を聞くことができる。

4 公安委員会は、当該処分に係る者又はその代理人が正当な理由がなくて出頭しないとき、又は当該処分に係る者の所在が不明であるため第一項の通知をすることができず、かつ、同項後段の規定による公示をした日から三十日を経過してもその者の所在が判明しないときは、同項の規定にかかわらず、意見の聴取を行わないで第百三条第二項又は第四項の規定による免許の取消又は効力の停止(同条第二項第二号に係るものに限る。)をすることができる。

5 前各項に定めるもののほか、意見の聴取の実施について必要な事項は、政令で定める。

 

◆免許停止処分者講習(免停講習、短期講習)

 停止処分者講習は、免許の停止又は保留などの行政処分を受けた人に対して行われ、講習を請けると停止期間が短縮されます。この講習は任意講習ですが、対象者の多くは受講しているようです。

講習は、処分日数によって、39日以下の「短期講習」(1日6時間)、40日以上89日以下の「中期講習」(2日間で10時間)、90日以上の「長期講習」(2日間で12時間)の3種類があります。

講習の最後に試験が行われ、その成績によって停止処分の短縮日数が決まります。( )内は短縮日数。

・30日処分の場合(20〜29日)

・60日処分の場合(24日〜30日)

・90日処分の場合(35日〜45日)

・120日処分の場合(40日〜60日)

・150日処分の場合(50日〜70日)

・180日処分の場合(60日〜80日)

 

保留処分の場合は、短縮期間が異なります。

処分期間終了後の翌日から違反行為をせず、かつ免許の停止等の処分を受けないで1年の免許期間を経過すると、処分暦が前歴となりません。  

 

 

H駐車場内での事故

 

道路交通法では、公道のほか「一般交通の用に供するその他の場所」も道路とみなされます。「一般交通の用に供するその他の場所」とは、公園通路・広場・駐車場等の一般交通のように開放されている状態の場所です

駐車場内では、走行速度が遅いことや他車の大半が止まった状態にあることなどから、緊張感が薄れてか、安全確認がおろそかになり、意外に事故が多発しています。

どんな場所であっても車の運転によって物損事故を起こした場合は民法709条の不法行為責任を、車の運行により人身事故を起こした場合は自動車賠償責任法3条の運行供用者責任を負います。
警察への事故報告や負傷者の救護義務もとうぜんあります。

駐車場内での事故は、ほとんどの場合50:50が基本となると考えてください。

 

I道路は寝る場所ではない
2010年11月、横浜市泉区で乗用車を運転中に男性(79)をひいて怪我をさせたとして、自動車運転過失障害と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、同市立上飯田中の八嶋牧男校長(57)が逮捕された。横浜地検は同月24日、不起訴とし、横浜市教委は同日、八嶋校長を職場復帰させた。
泉署の発表では、八嶋校長は11月12日午後8時45分頃、同区上飯田町の路上で、酒によって寝ていた男性をひき、腰の骨を折る大怪我を負わせたとされる。
関係者によると、乗用車の車高が高く寝ている男性に気づかなかったとしても無理はないことなどが配慮され、不起訴になった。
同市教委には、八嶋校長の職場復帰を求める教え子や保護者ら約5000人分の署名が届き、被害者の男性からも「寛大な措置を求める」との嘆願書が同地検に提出されていた。
八嶋校長は取材に対し、「事故を起し、多くの人に迷惑をかけて反省している」とした上で、多くの署名が集まったことについては、「支援してくれた人のためにも、一度失敗しても、周囲の支えでやり直せることを教育現場で子供たちに伝えたい」と話している。 (神奈川新聞2010/11/15)

 

J自動車事故の被害者になった場合

自動車事故に遭うということは、多くの人は初めての経験です。どうしたらよいのかと悩みこんでしまいます。
被害者だからということで、何もしなくても補償される、というものではありません。
保険会社に任せきりにしていると、納得のいく補償を受けることなく終わってしまう可能性が高くなります。
納得のいく補償を受けるためには、自分から行動を起こす必要があります。
十分な補償を受けるには、まず、損害額の妥当な金額を自分で把握する必要があります。
多くのケースで、被害者は保険会社が示した額の支払を受けています。
保険会社から示された金額が、適切な損害賠償額であるかどうか、よく分からない被害者が多いものです。
損害賠償額が高額になる事故の場合は、その額を算定することがより判りづらくなるので、多くの方は保険会社の提示する損害賠償額を受け入れてしまいます。
本来、損害賠償額及び慰謝料額というものは、被害者が算出し、提示するものなのです。たとえ手がかかってもです。
交通事故の被害に遭い、その時まで考えもしなかった損害額や慰謝料額を算出しなければならない。なんとも詮無い話です。
そのような被害者をサポートするために、交通事故専門の行政書士が必要なのです。

 

K人身事故

 

人身事故とは、交通事故で、当事者の身体・生命に損害が発生した場合を指します。警察に診断書が提出されて、警察が受理をした場合をいいます。軽症から後遺障害の残るもの、死亡者が出るものまで程度の重さに関係なく、「人身事故」に区分されます。人身事故では必ず事故の実況見分を行って検察庁に送検します。

人身事故の場合には、加害車両の運転者のみならず、運行供用者にも損害賠償請求が可能とされています。

人の身体・生命に損害が生じず、車や建物などの物に損害が生じた事故を「物損事故」といいます。

物損事故の場合、重大な過失で建物を壊した場合以外には、過失で物を壊したことで罪に問われることはないという違いがあります。

人身事故の場合には、自動車損害賠償責任保険にて最低限の補償はされますが、物損事故には自賠責保険の補償はなされません。

人身事故が発生した場合、負傷者の保護は最優先であり、救護義務をおこたると刑事罰を科せられる可能性があります。

刑事処分および行政処分にて事故として記録されるのは人身事故であり、物損事故では行政処分上、事故扱いとはなりません。交通事故と人身事故はほぼ同じものと考えられます。

人身事故を起すと、刑事処分、行政処分、民事処分、の3つの責任を負う義務が発生します。

 

L人身事故の刑事処分

自動車を運転していて、必要な注意を怠ったために、人身事故を起こした場合、その事故の経緯と相手方の怪我の度合いによっては懲役刑、禁固刑、罰金刑などの刑事処分が科せられます。

人身事故においては、故意で暴走行為など悪質な違反行為を犯し、かつ相手を死に至らしめた場合は重罪扱いの危険致死罪の適用や運転者が過失によって発生した人身事故の業務上過失致死罪等があります。

ただし、人身事故だからといって必ずしも刑事処分が課せられるわけではありません。

警察による操作が終わると、警察から検察庁に事件が送られます。

事故から2〜3ヵ月後くらいに検察庁から出頭要請があった場合は、刑事処分が科せられる可能性が高くなります。検察官が必要な捜査をして、加害者を処罰すべきであると判断した場合に起訴します。

検察官がする刑事処分の種類には、不起訴処分、起訴猶予処分、略式処分、基礎処分があります。

最近は、交通事故の刑事処分を重くしようという傾向にあるようです。

一番軽い人身事故である「治療期間が15日未満の傷害事故」でも、罰金額が12万円以上となることが多いようです。

 一般に事故を起してから半年以上ほど検察庁からの出頭要請がなければ、ほぼ大丈夫と判断できます(例外もあります)。

起訴される場合で、比較的軽微な事故と検察官が判断した場合は、略式裁判が提起されます。

 

刑法211条 業務上必要なる注意を怠り、よって人を死傷に致したる者は、5年以下の懲役、もしくは禁固又は50万円以下の罰金に処す。重大なる過失により、人を死傷に致し足るもの、また同じ。
刑法208条の2 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で四輪以上の自動車を走行させ、よって、人を負傷させたものは10年以下の懲役に処し、人を死亡させたものは1年以上の有期懲役に処する。その進行を制御することが困難な高速度で、又はその進行を制御する技能を有しないで四輪以上の自動車を走行させ、よって人を死傷させたものも、同様とする。

 

人身事故における刑事処分の目安(起訴された場合)

 

事故の種別  付加点数  刑事処分(参考・目安) 
 過失による死亡事故 20 

懲役刑・禁固刑

7年以下

専らの原因で治療期間3月以上の重症

事故、又は特定の後遺障害が伴う事故

13

懲役刑・禁固刑及び

罰金刑5万円 

 専らの原因で治療期間30日以上

3月未満の重症事故

罰金刑

30万円〜50万円 

専らの原因で治療期間15日以上

30日未満の軽症事故 

罰金刑

20万円〜50万円 

 専ら以外の原因で治療期間15日以上

30日未満の軽症事故

罰金刑

15万円〜20万円 

専らの原因で治療期間15日未満の軽傷事故又は建造物損壊にかかる交通事故 

罰金刑

20万円〜30万円 

専ら以外の原因で治療期間15日未満の軽傷事故又は建造物損壊にかかる交通事故 

罰金刑

12万円〜15万円

 

M行政処分


自動車事故における行政法上の処分であり、将来における道路交通法上の危険を防止するために、交通事故の内容や責任の重さに応じて運転免許の停止と取消の2種類があります。違反点数に応じて処分や処分期間が決定します。

■違反点数の計算方法

 停止・取消の行政処分やその期間を決定する際は、過去3年間の違反・事故の点数と行政処分歴により異なります。

 

人身事故における行政処分では、加害者の過失が少しでも認められた場合、安全運転義務違反(2点)及び人身にかかる交通事故の付加点数(最低2点)で最低でも合計4点の付加点数が付くことになります。

人身事故及び建造物損壊事故を除く、物損事故の場合は、運転者が行政処分を受けることはありません。

・運転免許証の停止

 免許証が停止され、免許証に記載の車両を一定期間運転できなくなります。

・運転免許証の取消

 免許証が無効となり、一定期間再取得ができなくなります。行政処分の中で最も重く位置づけられます。


 

N民事上の責任


被害者の民事上の損害賠償責任は、多くの場合、自賠責保険、任意保険、労災保険等で填補されます。交通事故で加害者になった場合は、民法709条(不法行為責任)や自動車損害賠償保障法に基づき、被害者の損害を外車の損害にあてるという考えです。

物損(車両修理費等)も民事補償の対象です。


 

O示談書の免責条項

 

示談書には通常、「被害者は加害者に対して、今後、一切の請求をしない」あるいは「当事者間に上記金額以外になんら債権債務が存在しないことを確認し、後日裁判上・裁判外を問わず、一切異議・請求を行いません」との条項が記載されます。

 

示談書にこのような条項がなければ、紛争を蒸し返すことが可能になり、示談による最終的な解決という目的を達することができないからです。

後遺障害についての心配がある場合は、後日のために「今後本件事故を原因とする後遺障害が生じたときは改めて協議する」という条項を示談書の盛り込む必要があります。

しかしながら、こうした条項があってもなくても、例外的に加害者に対する請求が可能であるとする判例が、
最高裁で出ています。
「交通事故による全損害を正確に把握しがたい状況の下で、早急に小額の賠償金をもって、示談がなされた場合、示談によって被害者が放棄した損害賠償請求権は、示談当事予想していた損害についてのみと解すべきであって、その当事予想できなかった後遺症等については、被害者は後日、その損害の賠償を請求することができる」
後遺障害が発生するかどうかわからない状態、あるいは当事者が後遺障害についてまったく関心を持たないまま、示談をしてしまった場合、被害者としては示談当時、考慮外であった後遺障害の損害賠償請求権を放棄するという意思までは持っていなかったと考えられます。最高裁の判例は示談をする際のそうした、当事者の常識的な思いを重視して上記のような結論を導かれました。

示談は諾成契約であり、口頭でも成立します。損害賠償にかかわる安易な約束はしないように心がけましょう。

 

P反則金と罰金

 

「反則金」とは比較的軽微な違反者が任意に納付する行政上の制裁金であり、反則金を支払えば刑事上の責任は終了し前科もつきません。青キップ(交通反則通知書)が発行され反則金納付書を受理した日から8日以内に反則金を最寄の金融機関へ納付すれば、裁判による審判を免除されます。

反則金は、交通安全対策特別交付金として、毎年、都道府県や市区町村に交付されています。

任意の納付であるとはいえ納付しなければ検察庁から呼び出しを受けることとなり、無罪か罰金刑のどちらかになります。

「罰金」とは、悪質、または重い違反(違反点数4点以上)に対する法律に定められた刑罰の一種で、行為者から強制的に金銭を取り立てる財産刑です。刑事裁判後に確定され、「前科」(罰金刑の場合は5年経つと、戸籍地の役所は検察庁に消滅照会をし、新たに刑罰を受けた事実などがなければ、消滅させるそうです。ちなみに「前科」という語は正式な法律用語ではありません。

刑事裁判といっても、違反した事実を認め、「略式裁判」による処理が妥当と判断された場合は直接公判に出ることなく書面上だけで裁判を受けることが可能です。多くのケースは略式裁判です。

略式は、違反した事実を認め不服がない場合ですから、審理もなければ無罪もありません。

略式に応じない場合や悪質な違反の場合は、公判請求され正式裁判になります。

公判請求された場合でも前科がなく、以後、同様の違反を犯す可能性が少ないと裁判官が判断した場合は、執行猶予とされることが多いようです。

「罰金」は裁判官が判決により決めるものですから、反則金のように予め額が決まっていません。

「反則金」を支払うのは、「青キップ」を発行されたとき。「罰金」は赤キップです。 

罰金額については、裁判官が判決によって決めるものなので、あらかじめ決まっているものではありません。しかしながら数の多い交通違反の場合は、相場的なものがつかめます。
同じ刑事罰であっても、該当車両が大きいほど(大型→普通→自動二輪→原付の順)罰則は厳しくなる傾向があります。

交通違反に対する処罰が下されるまでの流れ 
 交通違反を犯し罰金又は懲役刑などの処罰が下されるまでの基本的な流れは下記のようになります。

 

担当管轄 処理内容

警察署

↓ 

交通違反・交通事故を起こした事実を現認

違反運転者を被疑者として検察庁へ送致

検察庁

警察から回ってきた事実に対し当人(被疑者)へ事情聴取し内容によって被疑者を起訴するかしないかを決定
裁判所 検察庁から提出された起訴状をもとに被告人に対し弁論の場を開き、判決を出す

 

 毎日、膨大な数発生する交通違反において、それぞれすべての一つ一つの交通違反に対し起訴状を作成し、それを裁判官が細かチェックし処罰の裁量を決定することは事務処理上困難であることから、一連の処理を即日処理するための制度として「略式裁判」があります。

 

 Q略式裁判


 公判を行わず簡易な方法による刑事裁判のことです。

罰金刑に該当する人をすべて法廷を開いて審理しようとすれば、検察庁も裁判所もパンクしてしまいます。 

交通違反の初犯者で、違反の内容が比較的軽微なものである場合で、被告人に異議がなく、検察官が「略式裁判」による処理が適当と判断した場合は正式裁判を経ることなく、書面審理だけで即日、刑が言い渡されます。

査定表をもとに違反内容に適合した罰金額を決定し処罰が下されることになります。尚、略式裁判における判決は罰金刑のみです。

略式における裁判官は、運転者とは一切会うことはなく、書類に次々と罰金額の判を押してゆきます。

略式裁判に応じず、通常の裁判を受けることも可能です。被告人は略式命令送達の日から14日以内に正式裁判の請求ができます。

●略式手続にできる要件

 1.簡易裁判所の管轄に属する事件(事案が明白で簡易な事件)であること。

 2.100万円以下の罰金または科料を科しうる事件であること。

 3.略式手続きによることについて、被疑者に異議がないこと。

 

ただし、交通違反や交通事故の内容が極めて悪質な場合や、事件の内容が複雑で書面審理だけでは真相究明が難しい場合などは、略式裁判ではなく通常の裁判を行わなければならないとされています(刑事訴訟法第463条)。

未成年者の場合は家庭裁判所で裁判を受けます。

 

R治療費打ち切り通告
 交通事故で負った頚椎捻挫や腰椎捻挫の治療を続けていると、3ヶ月から6ヶ月程度経過した段階で、保険会社から治療費の打ち切りを伝えられることがあります。

傷害がしっかり完治していれば問題はないのですが、まだ痛いのに休業補償も治療費も打ち切られるわけですからたまりません。

打ち切りの通知は、保険会社の判断基準に基づいて行われます。

打ち切り通知のタイミングとしては、骨はくっついていて、痛みがあったとしても画像に写らない場合は6ヶ月です。外相がない場合は3ヶ月が目安です。

しかし、事故時の速度、衝突の角度、被害者の年齢等によって治癒期間は当然違うはずです。

治療費が120万円以内で納まる場合は、打ち切りを通知されることは少ないのですが、120万円を超える支払いが発生した場合は、超過した分の損害賠償を任意保険会社が支払う仕組みになっています。
そのため、任意保険会社は、自賠責限度額120万円までは何も言わずに支払いをしますが、120万円を超えることが予想される場合、あるいは、すでに超えてしまった場合、強烈な払いしぶりを開始します。

治療費の打ち切りを言われたとき、しっかり完治していれば問題は無いと思うのですが、そうでない場合もあります。

治療費打ち切りに関しては、保険会社側に問題があることもありますが、被害者に問題があることもあります。「症状固定」といえる場合には、保険会社は不当ではありません。

保険会社から治療費の打ち切りを言われても、被害者の方は主治医とよく相談をして、治療が必要な限り、治療の効果が出ている限りは、当然治療を続けるべきです。

治療費は、自賠責保険の限度額内で自賠責保険から出ますし、限度額を超えている場合には、健康保険を使用して治療を続けることが可能です。

立替払いした治療費は、治癒又は症状固定になって以降、示談で精算します。

まずは怪我をしっかり治すことを第一にしてください。

 

S自動車保険料値上げ


 損害保険大手各社は、2013年10月から、事故を起こしたドライバーの自動車保険料を3年間大幅に引き上げる方向で調整に入ったそうです。2012年10月以降の契約分より適用されます。

保険料を安くするには、なにわともあれ事故を起こさないことです。無事故を続けたドライバーは保険料が安くなり、逆に事故を起こしたドライバーは保険料が高くなります。ノンフリート等級別料率といわれるものです。

自動車保険に新規加入する場合、1年目は6等級からスタートし、2代目割引が適用された場合には7等級から始まります。1年間保険の使用がなかった場合は、翌年から1等級ずつアップして最大20等級(全労災は22等級)まで進みます。保険を使うと3等級下がります。ただし、人身傷害保障や搭乗者保険のみ使用する場合は等級に変化がありません。

ところが、新しい制度では、事故を起こした人については、事故後3年間は通常よりも保険料が割高になります。これまでは、割引率63%の20等級の人が事故を起こした場合、次年度の割引率が57%の17等級に下がるだけでしたが、新制度では割引率が圧縮され、同じ17級でも割引率は38%になります。

3年間のうちに再び事故を起こすと、「ペナルティー期間がさらに3年間延長され、計6年間になります。3度目以上の事故を起こしても、6年を超えるペナルティーは科されません。

 

21.警察に提出する診断書


人身事故の刑事処分は、被害者が警察に提出した診断書の全治期間を基礎に決められます。

@治療期間が15日未満、軽傷事故として3点、20〜30万円の罰金

A治療期間が15日以上、1ヶ月未満、軽傷事故として6点、20〜50万円の罰金

B治療期間が1ヶ月以上、3ヶ月未満、重症事故として9点、30〜50万円の罰金

C治療期間が3ヶ月以上、重症事故として13点、50万円以上の罰金

 

22.駐車場内での事故における責任


「駐車場内での事故、盗難には一切の責任を負いかねます」

この看板は法的に有効なのかということを検証します。

借主相互間で生じた事故においては当事者間で問題を解決し、貸主を免責するとの宣言がこの看板の趣旨だと考えてください。

私人間の契約においては当事者の合意が優先されます。しかしその契約内容が公序良俗に反する場合は、その部分において無効になります。

敷地内に善意で車を止めさせてもらってる場合には、基本的に駐車場の管理者には損害賠償の責任はありません。

駐車場を時間いくらで貸すという契約は、賃貸借契約です。 

100円パーキングなどの有料駐車場の管理者は消費者契約法上の事業主ですから、故意・過失がなかったことが立証できる以外は、責任がないわけではありません。

管理者には善管注意義務がありますので、駐車の妨げになる障害を排除し、トラブルを招くかもしれない要因が存在するときは、その要因を排除、是正する義務があります。それに違反し、管理者が駐車できないときには、管理者は損害賠償義務を負います。

管理人が常駐している駐車場での盗難の場合は、盗難に気づかないことが過失の可能性があり、損害賠償責任が生じる可能性があります。

※消費者契約法8条1項1号 事業者の債務不履行により消費者の生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項は、無効とする。

 

23.飲酒運転と社会的制裁


福岡飲酒運転事故以降、飲酒運転をした民間企業の社員や公務員は、原則として懲戒解雇・懲戒免職とすることが以前よりも多くなっています。

さらに、飲酒運転をした者を幇助した社員・職員が、免職を含む厳正な処分を受けることも増えました。

懲戒処分というのは、本来、職場での規律維持を目的とするものですから、業務中の飲酒運転は懲戒処分されることに不思議はありませんが、プライベート時の運転中に、飲酒運転を行った場合などは、職場の秩序維持とは直接関係がないことであり、考えさせられるものがあります。

 

酒気帯び運転を理由に懲戒免職処分としたのは裁量権の乱用として、三重県立志摩病院の元課長補佐級職員の男性(51)が、県に処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が2009年9月、名古屋高裁でありました。

裁判長は、「交通事故をともなわない酒気帯び運転の処分としては過酷で、裁量権を乱用している」と述べ、処分取り消しを命じた1審判決を支持し、県の控訴を棄却しました。

(2009年9月17日 読売新聞)

 

2003年11月に飲酒運転で懲戒免職処分となった熊本県の教師は処分撤回を求めた結果、勤務評定が良いなどの理由で処分は不当だという判決が最高裁で出されました。

(2007年7月12日 朝日新聞)

解雇処分を受けたという社会的制裁は、刑事裁判において情状酌量事由には該当するそうです。 

 

24.反則金の納付率


1968年7月1日に反則金の制度が施行されてから、納付率が95%を下回ったことは一度もありません。

ちなみに、反則金の納付は任意です。ただし、督促によって納付しない場合は、刑事手続に進みます。

 

25.飲酒運転における運転者以外の責任


飲酒運転を幇助することも罪に問われます。

平成19年の道路交通法の改正で、以下の3つのケースについて新たな罰則が設けられました。

@車両の提供

運転者が酒酔い運転 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
運転者が酒気帯び運転 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

 

 

 

A酒類の提供

運転者が酒酔い運転 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
運転者が酒気帯び運転 2年以下の懲役又は30万円以下の罰金

 

 

B要求・依頼しての同乗行為(酒酔い運転状態であることを認識していた場合に限る)

 

運転者が酒酔い運転 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
運転者が酒気帯び運転 2年以下の懲役又は30万円以下の罰金

 

26.車両の使用制限命令制度


繰り返し放置違反金納付命令を出された車両の使用者に対しては、車検拒否制度のほか、車両の使用制限命令が出されることがあります。

放置車両確認標章(ステッカー)を取り付けられた日からさかのぼって6ヶ月以内に、同一の車両が納付命令を一定回数すでに受けている場合は、公安委員会はその使用者に対して、3ヶ月以内の期間を定めて、その車両を運転し、又は運転させてはならない旨を命ずることができます。

命令が発せられる前には、聴聞の手続きが行われます。

車両の使用制限命令が出されると、車両の使用者に対しては、車両の「使用制限書」が交付され、対象車両には「運転禁止標章」が貼り付けられます。

処分を「不当又は違法」とするときは、公安委員会に対して、異議申し立てをすることができます。


 

27.準危険運転致死傷罪


無免許運転や飲酒運転などによる悪質な重大事故に対処するため、現行の自動車運転過失致死傷罪(最高刑・懲役7年)より罰則が重く、危険運転致死傷罪(最高刑・20年)より軽い「準危険運転致死傷罪」の新設が検討されているそうです(2012年9月時点)。

法制審議会(法相の諮問機関)が専門部会を設置し、具体策を検討し、2013年初めには死傷事故の罰則強化について結論が出されます。

2012年4月、京都府亀岡市で集団登校中の児童ら10人が死傷した事故において、事故を起こした当時18歳の少年は無免許で居眠りをしていたが、法律の要件を満たさないとして危険運転致死傷罪は見送られ、自動車運転過失致死傷罪で起訴されたことで、遺族らは悪質な事故に対する厳罰化を法相に求めていました。


 

28.任意保険非加入の業務用車


すべての業務用しゃがむ保険というわけではありませんが、一部のタクシー会社や大手の運送会社などは、自賠責保険しかかけていないところが少なくありません。 任意保険をかけていても対人のみということもあります。

なぜ任意保険に加入しない運輸関連会社があるのかということですが、その理由は保険料と賠償金との兼ね合いです。

業務用自動車の保険料は、自家用車に比べて保険料が割高になっています。

高い保険料を毎年掛けるより、その毛家金を会社で蓄えておき、事故のあった場合にはその資金を出したほうがメリットがあるという発想です。

事故での支出を抑えるために専門の事故処理担当者を置いている会社もあります。

 



29.被害者参加制度

 

2008年12月、殺人や傷害事件などの被害者や遺族などが、刑事裁判の場で被告人に対して質問をするなど、直接裁判に参加できる「被害者参加制度」が導入されました。

一定の事件について被害者参加人は公判期日に出席し、証人尋問、被告人質問及び論告・求刑の意見を陳述することもできます。参加人は法廷で、検察官の横に座ります。

検察官への申出は、事件が裁判所に継続している間は、いつでもできます。

対象事件は、殺人、傷害など故意の犯罪で人を死傷させた罪のほか、強姦罪、業務上過失致死傷罪などです。

危険運転致死傷罪、自動車運転過失致死傷罪、業務上過失致死傷罪は、いずれも該当します。

被害者死亡、あるいは被害者の心身に重大な故障がある場合には、配偶者、法定代理人、子、孫などが参加できます。

被害者等から参加の申出を受けた検察官から通知を受けた裁判所が事件の性質などを考慮した上で、許可するかどうかを判断します。

貧困のため被害者参加弁護士を選定できない被害者参加人に対し、国選被害者参加弁護士制度も設けられました。この請求は、日本司法支援センター(法テラス)を経由してしなければなりません。


30.サンキュー事故

車等の運転時に、道を譲り合ったり、譲ってもらったことが要因で起きた事故のこと。

代表的な例としては、渋滞時の交差点で直進する自動車が、対向する右折車を先に行かせるために停止し、対向車が右折したところ、直進車の左側を走行してきたオートバイ等と衝突する事故があります。

 


31.代行運転中の事故

平成15年の改正道路交通法の施行によって、飲酒運転の罰則が強化されたことにより、代行運転の利用客は増加しています。

代行運転中に人身事故が生じた場合、基本的には代行運転者の責任になりますが、自動車の保有者も運行供用者責任を負います。対物事故においては依頼者が責任を負うことはほとんどありません。

運転代行業者は、主たる営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会の認可を受ける際に、運転代行業法で任意保険の加入が義務付けられています(毎年監査も行われます)。認定を受けている代行者の横には認定証が張られています。

運転代行受託保険は対人・対物賠償の他、客の車の修理費、客に対する慰謝料や治療費等が賠償されます。

ちなみに、代行運転手は二種免許保有者です。

 

32.飲酒運転の罰則

酒酔い運転 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
酒気帯び運転 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
呼気検査拒否 3ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金

※「酒酔い」とは、アルコールの影響により車両等の正常な運転ができない状態を言います。 

 

■行政上の罰則

違反種別 点数 処分内容 欠格・停止期間
酒酔い運転 35点 免許取消 3年

酒気帯び運転

(呼気1中のアルコール濃度)

0.25mg以上 25点 免許取消 2年
0.15mg以上0.25mg未満 13点 免許取消 90日

※免許欠格期間の最長は10年です。

 

33.車検切れ

車検が切れの車で公道を走ることはできません。

車検切れの車を運行していて、事故に遭った場合、車検が切れていても自動車保険に加入していれば、保険は有効ですが、自賠責保険も同時に切れていることが多いです。

自賠責保険が切れていて損損害賠償義務が生じた場合、自賠責保険での賠償額に相当する金額を自己負担しなければなりません。

車検切れの車を運行する場合には、「仮ナンバー」を取得する必要があります。仮ナンバーの取得は、必要書類をそろえて、最寄の市町村役所で申請します。

無車検車運行は現行犯ですので、無車検車を所有者以外の人が運行した場合は、所有者の責任は問われません。

■車検切れ

 道路運送車両法第58条の1及び第108条の1 「6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金」

■自賠責切れ

 自動車損害賠償保障法第5条及び第86条の3 「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」


34.人身事故の付加点数

事故の度合い 付加点数
専ら 専ら以外
死亡事故 20 13
治療期間3月以上の重症事故、または特定の後遺障害が伴う事故 13
治療期間30日以上3月未満の重症事故
治療期間15日以上30日未満の軽傷事故
治療期間15日未満の軽傷事故または建造物損壊にかかる交通事故

・「専ら」とは、交通事故が専ら当該違反行為をしたものの不注意によって発生したものである場合をいいます。

・負傷者が2名以上の場合は、最も重い負傷をおった人の治療機関となります。

・ひき逃げなど救護措置を怠った場合は23点です。

・物損事故の措置義務違反(あて逃げ)は5点です。



35.一定の病気等と運転免許

平成25年6月に交付された改正道路交通法によって、「一定の病気等」にかかっている運転者を対象とした制度がスタートしました。

「一定の病気等」とは、

@統合失調症(自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかにかかる能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈しないものを除く)

Aてんかん(発作が再発するおそれがないもの、発作が再発しても意識障害及び運動障害がもたらされないものならびに発作が睡眠中に限り再発するものを除く)

B再発性の失神(脳全体の虚血により一過性の意識障害をもたらす病気であって、発作が再発するおそれがあるものをいう)

C無自覚性の低血糖症(人為的に血糖を調節することができるものを除く)

Dそううつ病(そう病及びうつ病を含み、自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかにかかる能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈しないものを除く)

E重度の眠気の症状を呈する睡眠障害

Fそのほか、自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかにかかる能力を欠くことになるおそれがある症状を呈する病気

G認知症(介護保険法第5条の2に規定するもの)

Hアルコール、麻薬、大麻、アヘン又は覚せい剤の中毒

 ※「一定の病気」とは上記の1〜8を指し、これに9を加えたものを「一定の病気等」と総称しています。

 

なお、一定の病気にかかっている者でも、自動車等の運転に支障を及ぼすおそれのある一定の症状を呈するものでなければ、免許の拒否または取消等の対象とはなりません。

運転免許の取得・更新時には病状の申告が求められ、虚偽申告した場合の罰則(1年以下の懲役又は30万円以下の罰金)が盛り込まれています。必要と判断された場合には、公安委員会から「質問表」を渡されることがあります。

質問の例
・病気を原因としてまたは原因は明らかではないが、意識を失ったことがあるかどうか
・病気を原因として発作的に身体の全部または一部の痙攣または麻痺を起こしたことがあるかどうか
・十分な睡眠時間を取っているにも関わらず、日中、活動するさなかに眠り込んでしまうことが週3回以上あるかどうか
・病気を理由として、医師から、免許の取得または運転を控えるよう助言を受けているかどうか

症状があるにも関わらず虚偽の回答をして免許を取得または更新した者は、1年以下の懲役または30万円以下の罰金刑が規定されています。

公安委員会は、交通事故を起こした運転者が一定の病気等に該当すると疑われる場合は、専門医の診断による取消処分を待たずに、免許の効力を3月を超えない範囲内で停止することができます。一定の病気等に該当しないことが明らかになった場合は処分が解除されます。

医師は、診察を受けた人が一定の病気等に罹患していると診断した場合、その人が免許を受けていることを知ったときは、その診察結果を公安委員会に届け出ることができます。この場合、刑法の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法律の規定の例外となるよう法的整備がなされています。

一定の病気に該当することを理由に運転免許が取り消された場合、免許の取り消しから3年以内(欠格期間1年を除く)に免許を再取得できる状態になった場合は、再取得時の技能試験、学科試験は免除されます。

ちなみに、精神神経障害者の運転を制限する法律に対して、日本精神神経学会は猛反対しています。反対の理由は、法制度に医学的根拠が乏しく患者を不当に差別・制限しているというものです。精神障害と交通事故の因果関係を証明した研究報告はないそうです。診断を受けた人が運転をできなくなり、診断を受けない人は誰にも咎められることなく運転をしているということがあるとすればと考えると、嫌なこころもちがします。

 

36.無免許運転等の罰則の引き上げ等

●無免許運転の罰則

 無免許運転の罰則が、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」に引き上げられました。

 この罰則は無免許運転者本人だけでなく、無免許運転を命令したり容認した者、免許証の不正取得に対しても適応されます。

 無免許運転の違反点数は25点に引き上げられました。これにより無免許運転を行った場合、免許を取得できない「欠格期間」の基準が2年間となります。

●無免許運転幇助行為の罰則

 無免許運転をする恐れのあるものに対して、無免許運転を知りながら自動車等を提供した者については、自動車等の提供を受けた者が無免許運転をした場合には、無免許運転をしたものと同等の罰則を受けます。また、無免許運転と知りながら送迎等を依頼・同乗した場合には、同乗者も罰せられます(2年以下の懲役または30万円以下の罰金)。

「無免許運転幇助行為」を行った場合、違反点数にかかわらず、欠格期間2年から4年の運転免許取消処分を受けることになります。

●自転車の制動装置にかかる検査及び応急措置命令等に関する規定

 警察官は、内閣府令で定める基準に適合するブレーキを備えていない自転車を停止させ、ブレーキを検査したり、ブレーキの整備や運転継続の禁止を命ずることができるようになりました。

検査拒否、応急措置命令違反等には「5万円以下の罰金」に処せられることも規定されています。

内閣府令では「前後輪の両方にブレーキを取り付ける」ことと、「安全な距離で停止できる制動性能を備える」ことの二つを満たすことを基準としています。

 

問い合わせ・ご相談は←ここをクリック 

▲このページのトップに戻る