過失割合

1.交通事故の過失割合とは

2.過失相殺とは

3.提示された過失割合への対応

4.刑事記録の取り寄せ

5.実況見分調書

6.実況見分調書の入手

7.飲酒運転

8.事故類型による過失割合

9.信号・横断歩道のある交差点での交通事故

10.信号・横断歩道のないところでの交通事故

11.判例:自動車対歩行者

 

12.判例:自動車対自転車

13.判例:四輪車対四輪車

14.判例:四輪車対二輪車

 

15.判例:高速道路上

 

16.判例:好意同乗減額

 

1.交通事故の過失割合とは

交通事故の場合は事故当事者双方に過失のある場合が大半であり、賠償額は過失割合に応じて相殺されます。

過失割合は、判例を元にして、一定の認定基準が設けられています。

判例タイムズ社が出版している「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」(通称:判例タイムズ)を認定基準にされることが多いです。

日弁連交通事故相談センターの過失割合認定基準表を用いられることもあります。

過失割合を決めるために実況見分調書が必要になることがありますにで、事故が起きた場合には必ず警察に通報することを怠ってはなりません。

 

 

2.過失相殺とは

交通事故において双方に不注意があった場合、加害者が全ての賠償責任を負担するのでは公平とは言えません。被害者側にも責任がある場合には、損害を公平に分担するため、対物賠償や対人賠償においては被害者側の責任(過失)割合相当分を損害額より差し引いて賠償することがあります。これを「過失相殺」といいます。これは民法第722条によって定められています。
〈民法第722条第2項〉被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。

 

過失相殺は、以下のような要素を判断の基準にします。
・道路交通法に定められた優先関係の有無
・事故当事者の状態(歩行、車両搭乗の別など)
・事故発生時の環境(昼夜の別、交通量、道路環境など)
・事故発生が予想度、結果の回避度

 


過失責任について従来は、責任能力を持たない幼児には適用されないということでした。

 しかし、現在では被害者に責任能力まで無くても、事理を弁識する能力(物事の善悪を判断することのできる能力)があれば過失相殺できるという流れになってきています。
判例では5,6歳の子供にも過失相殺を認めたものがあります。

似ている事例ですが、過失相殺が認められる可能性があるケースとしては、母親が5歳になる子供と歩いていて、目を放した隙に子供が交通事故に会ったとしたら、それは子供への過失相殺ではなく、母親への過失相殺として請求すれば認められる可能性があります。
このように、被害者のみを考えるのではなく、被害者側として考えます。

 

■自賠責保険における過失相殺の考え方

自賠責は被害者救済を目的としていますので、被害者に重大な過失が無ければ相殺はされません。
重大な過失とは7割以上の過失のことです。つまり、7割未満の過失の場合は自賠責においては過失相殺はされずに全額請求できるということになります。

◎7割以上の過失

 ・歩行者の場合 赤信号横断
 ・車の場合   一時停止違反

◎8割以上の過失
 ・歩行者の基本過失8割はなし
 ・車の場合 赤信号直進で黄信号車と衝突

◎9割以上の過失
 ・歩行者の基本過失9割はなし
 ・車の場合 非優先道路から優先道路との交差点へ進入した際の事故

歩行者の8,9割過失は基本過失とされていないように、歩行者は道路上では守られた存在です。
また、過失割合は定型化されています。判例タイムズの過失相殺率の認定基準という書籍を元に過失割合を考えますが、すべてこの書籍どおりというわけではありません。

■過失割合の修正要素

車の加算要素
前方不注意
15キロ以上の速度違反、30キロ以上の速度違反の2段階
ウィンカーの出し忘れ、出し遅れ
赤信号直前黄色
相手車の明らかな先入
見通しがよい場所
大型車の右折
相手が2輪車(2輪車は死亡事故につながりやすいため)
右折時徐行せず
早回り右折、大回り右折、直近右折
転回禁止場所
相手が初心者マークを表示(初心者保護義務)

 

歩行者の過失の加算要素 歩行者の過失の減算要素
夜間 集団横断
幹線道路 車道と歩道の区別がない道路
直前飛び出し 幼児・児童・老人・障害者
  住宅街・公園・商店街
  前方不注意など車側の過失
  車の著しい過失
  車の重過失

 

夜間:自動車が走行中ライトを点灯している場合、歩行者はその発見が容易である。逆に、自動車側からは、対向車のライトによる眩惑、路面の反射などにより歩行者の発見が難しい。そのため、歩行者に過失割合が加算される要素となる。

幹線道路:車両の通行が頻繁な道路を横断・通行する際、歩行者は通行する車両に対し注意を払い、安全を確認する必要が生じる。自動車は他の車との接触を避ける必要があるため、回避余地が制約される。そのため、歩行者の過失割合が加算される要素となる。歩道と車道の区別がある国道・県道(道路幅員14m以上が通例)。

幼児・児童・老人・障害者:歩行者がこれらのカテゴリーに該当する場合、行為能力が低いと推定され、自動車側はいっそうの注意を持って運転すべきである。したがって、被害者がこれらの歩行者である場合、歩行者の過失割合の減算要素となる。

集団横断:自動車側からの発見が容易である。そのため、歩行者の過失割合が減算される要素となる。

住宅街・公園・商店街:これらの場所では歩行者の通行が頻繁であるので、自動車側はいっそう注意すべきである。したがって、歩行者の過失割合の減算要素となる。

著しい過失:前方不注意、操作不適切等の著しいもの、15km以上の速度違反、酒気帯び運転など。

重過失:酒酔い運転、居眠り運転、無免許運転、30kmを超える速度違反など。


3.提示された過失割合への対応
保険会社に「過失割合」を示されても、その割合はもう変えることは出来ないと、諦めてはいけません。
損保会社が示すところの過失割合は、加害者いわば損保会社に有利な割合になることが多いように思います。

 

「お互いに動いていれば、過失は0ということはありません」

このような説明をして、被害者の過失が大きくなるように誘導されることもあります。

@あなたに道路交通法違反が認められない。

A本件事故を予見することができなかった。

Bだから、事故回避処置をとることができなかった。

この3つを立証できれば、動いていても過失は0%です。

納得のいかない過失割合については異議申し立てをします。
『過失割合申立書』の作成を通じて、出来るだけ事実に即した「過失割合」の認定がなされるように当事務所がお手伝いをいたします。

 

 

4.刑事記録の取り寄せ
過失割合が問題となったとき、まず一番に刑事記録を取り付けます。加害者が自動車運転過失傷害罪で起訴された場合は、実況見分調書、交通事故現場見取り図、供述調書等の刑事記録が作成されます。加害者に罰金等の刑事罰が科せられた後、これらの関係書類一式は、検察庁で開示されます。
警察署の交通事故係に、送致先検察庁を確認し、検察庁に出向いて、刑事記録の謄写を依頼します。加害者が不起訴となった場合は、交通事故現場見取り図、実況見分調書のみの謄写となります。

 

 

5.実況見分調書
人身事故が起きた直後に、警察が見分を行い、細かく記されたものが実況見分調書です。

事故が起きた場合、警察へ通報するのは道路交通法上の義務です。

刑事事件(自動車運転過失致死罪等)として事故の実況見分が行われないと、事故証明書は発行されません。実況見分調書は、過失割合、損害賠償の根拠、証拠になる重要な書類です。

実況見分調書には、検分の日時、場所、立会人の名前、立会人の指示説明(相手を発見した地点、ブレーキを踏んだ地点、相手と接触した地点)、運転車両の状況、現場の道路状況(乾燥状態、交通規制の状況)等が記載されます。現場見取り図(1/200)や現場写真も添付されます。

実況見分調書は検察庁へ書類送検され、起訴するかどうかを検察官が決めます。

実況見分には必ず立ち会ってください。そして、ご自分の言ったことが正確に記載されているかどうかをよく確認してください。

 

 

6.実況見分調書の入手
実況見分調書は刑事記録という分類になります。
所轄警察署に、交通事故証明書に記載されている事故日時、場所、自分・相手の名などを告げ、検察庁送致先・送致日・送致ナンバーを聞きます。
送致先の検察庁を調べ、検察庁記録係へ連絡します。
記録係に、実況見分調書を閲覧・謄写したい旨等を伝えます。
記録係が実況見分調書の存在を調べてくれます。
閲覧日時を確認します。閲覧費用は150円(印紙代)です。身分証明書も必要です。
写真撮影が可能かを確認します。謄写は地元弁護士会を通すようにいわれる場合があります。

 

7.飲酒運転
過失相殺が問題となる事案では加害者の飲酒運転が加害者不利の方向に働く要素となります。したがって、加害者の飲酒運転を証明することは過失割合を定める上で意味のあることです。
まず、道路交通法上の飲酒についてどのように定められているか整理をする必要があります。
以下は法律の説明です。

65条1項
何人も酒気を帯びて車両等を運転してはならない。

117条の2,1号

65条1項の酒気帯び運転をした場合、酒に酔った状態で(アルコールの影響で正常な運転ができない恐れのある状態)運転をしたものは3年以下の懲役または50万円以下の罰金
※改正前は「2年以下の懲役または10万円以下の罰金」でした。

117条の2の2,2項
65条2項の酒気帯び運転をしたもので政令に定める程度以上にアルコールを保有していたものは2年以下の懲役または30万円以下の罰金
※改正前は「3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金」

 

ちなみに、人間は血液中に0.03mg/ml程度のアルコールを保有しているといわれています。

<補足>
あなたが飲酒運転をしていた場合、あなたが自分の車につけていた車両保険、搭乗者傷害保険、人身傷害保険については保険金を請求することはできません。約款に定められています。

 

8.事故類型による過失割合

 

@車対車
車同士の事故の場合、両者に同じ注意義務が課せられています。
車対車の事故類型は交差点での直進車同士の事故、交差点での右折車と直進車の事故、対向車同士、同一方向進行車同士の事故とに分けられ、その中でも条件により細かく過失割合が決められています。

 

A車対単車
単車の運転者に課せられる義務は車の場合と本質的に変わりません。
しかし、車と単車の事故の場合、単車側に大きな被害が生じることは明白ですから過失割合において単車に有利になっています。
車同士の事故に比べて、通常1から2割ほど単車に有利と修正されているようです。
また、単車特有のものとしてヘルメットの着用義務があります。ヘルメットを着用していないため被害が拡大した場合はヘルメット不着用の被害者に過失相殺するのが一般的です。

 

B車対自転車
自転車は道路交通法上は車両に含まれます。
自転車は歩道・車道の区別のある道路については原則、車道を通行しなければなりません。
しかし、車と自転車の事故がおきた場合に車同士の過失割合をそのまま適応するには自転車に不利です。車と比べて自転車事故の場合は被害が甚大になります。
自転車側の加算事由は、自転車が発見困難な走行をしたとき、自転車の2人乗り、などがあります。

 

C車対歩行者

車と歩行者の過失割合を考える場合、横断歩道上の事故とそれ以外の場合とに分けて考えます。
車の注意義務の内容は横断歩道上の歩行者とそれ以外の歩行者に対するものとでは異なります。
横断歩道上の事故は、横断信号が赤以外の場合は過失相殺はされません。
横断信号が赤信号での歩行者の過失相殺は7割程度と考えられます。

歩行者は交通弱者ですから、自動車との交通事故で、歩行者が一方的な過失を問われることはまれなケースです。

 

D車線変更(進路変更)による接触事故の過失割合
車線変更による接触事故の過失割合は、通常、100:0になることはなく、80:20や70:30となることが多いでしょう。運転中は運転者に注意義務があるからです。

 

E駐車場内での事故

駐車場内での事故は過失割合でもめることが多いようです。駐車場内での事故は、損害も比較的軽微なことが多いです。50:50が基本です。
もめる原因として考えられるのは、駐車場内では管理者の設定した通行方法があったり、後退で車両を出し入れしたり、切り返しをしたり等、通常の道路での走行とは違う要素が入ってくるからだと思います。

 

 

9.信号・横断歩道のある交差点での交通事故
【歩行者、自動車とも青信号で侵入】
歩行者も自動車もともに青信号を守って通行していた場合の過失割合です。
歩行者の過失0に対して、自動車の過失100
【歩行者が黄信号、自動車が青信号で進入】
歩行者は黄信号で横断歩道を通行、自動車は青信号を守って直進した場合の過失割合です。
歩行者の過失30に対して、自動車の過失70
【歩行者が赤信号、自動車が青信号で進入】
歩行者は赤信号で横断歩道を通行、自動車は青信号を守って直進した場合の過失割合です。
歩行者の過失70に対して、自動車の過失30

 

 

10.信号・横断歩道のないところでの交通事故
【信号・横断歩道のない道路を歩行者が横断】
歩行者の過失20に対して、自動車の過失80

横断が禁止されている道路の場合は、通常交通量が多く危険であるとともに、車の運転手としても歩行者の横断は予測しにくいものです。
この場合の歩行者の過失は一般的に5割程度になります。
歩道、車道の区別の無い道で歩行者が側道を歩行している場合は原則として過失相殺はありません。
また、道路で遊んでいたり寝ていたりした場合には2〜3割程度の過失が考えられます。特にこの場合、運転手から歩行者の発見が困難なときは歩行者側の過失が大きくなります。昼間見通しの悪い場所の場合3割でも、夜間は5割の過失が考えられます。
これまでの話は相殺の目安であり、ケースバイケースで修正要素があるという考え方があります。夜間の場合や歩行者が児童や老人などの場合も過失相殺が修正されます。このように事故当時の具体的事情を総合的に判断して決められます。
ここでは大まかなお話しか出来ませんが、具体的には、当事務所へご相談ください。  

 

 

11.自動車対歩行者

■横断歩道上の事故

@横断中の歩行者と加害者(自動二輪車)の衝突事故につき、歩行者には横断歩道の至近の位置を歩行者用信号が赤であるのに横断した過失がある一方、加害者運転者にも飲酒(道路交通法上酒気帯びに至らない程度)、制限速度超過(約10km超過)、前方不注視の過失があるとして、歩行者の過失割合を60%とした事例(大阪地判H7.10.23)

A被害者が横断歩道を横断するにあたり、歩行者用信号が点滅し、東西の車両信号が黄色を表示していたにも関わらず自転車に乗って横断を開始し、その後交差点の信号が全赤となった際にも中央分離帯付近の横断歩道で停止せず、進行を続け、南北の車両信号が青色に変わり、発信進行した加害者と衝突した被害者に45%の過失相殺を認めた事例(大阪地判H7.3.30)

B片側三車線の第二車線を西進中の加害車が、道路を横断中の被害者と衝突した事故につき、衝突地点から40m東側に信号機の設置されている横断歩道があるにもかかわらず、安全確認不十分なまま道路を横断した被害者に30%の過失相殺を認めた事例(大阪地判H7.3.30)

C夜間、左右の確認をしないで、信号機の設置されていない交差点の横断歩道を小走りでうつむき加減で横断中、普通乗用自動車に衝突された被害者(86歳)に、5%の過失相殺を認めた事例(神戸地判H8.5.23)

D時速40Kmで、交通整理の行われている交差点を、西から東へ進行中の加害者(普通貨物自動車)が、対面歩行者用信号が赤のまま横断歩道上を歩行中の被害者に衝突、死亡させた事故について、被害者に対して80%の過失相殺を判決しました。(東京地判H7.12.26)

■横断歩道外の事故
@駐車車両の陰から道路側へ横断しようとした歩行者が、加害車の左前輪で左足背部を轢かれて転倒した事故について、被害者が左右の安全確認を怠ったとして50%の過失相殺を認めた事例(神戸地判H8.4.1)

A酒気帯びの状態で歩行者用に復員1.8mの歩道が設けられているのに、歩道ではなく歩行してはならない車道の外側線を歩行し、車道内によろけながら侵入して加害者と衝突した被害者に45%の過失相殺を認めた事例(横浜地判H8.4.22)

B交通整理の行われていない見通しの良い交差点を横断中の歩行者(78歳)に、制限速度を20km上回る時速約70kmで走行中の加害者が衝突した事故につき、歩行者の横断禁止の標識が設置されている幹線道路を横断し、加害者の進行に注意を欠いた被害者に20%の過失相殺を認めた事例(大阪地判H9.7.24)

C夜間、飲食店付近で酔客の多い、片側ニ車線の比較的交通量の多い道路を、横断歩道を利用せず、駐車車両の陰から横断しようとして自動二輪車に衝突された後、後続の普通乗用車に轢過された被害者に15%の過失相殺を認めた事例(大阪地判H10.6.2)

D交通頻繁な市街地で、被害者(女児2歳)が道路中央に出て自動車と衝突した事故につき、監督義務者が被害者の手を引くなど事故防止の注意義務を怠ったとして20%の過失相殺を認めた事例(佐賀地判H2.12)

■歩車道の区別ない道路での事故
@前幅員7.5mで歩車道の区別がなく、暗い国道上を飲酒酩酊の上、外側線とセンターラインの中ほどあたりを歩いていた被害者をはねて死亡せしめた事故につき、被害者にも重大な過失ありとして50%の過失相殺を認めた事例(松枝地判S51.5.24)

A歩車道の区別のない道路左側を二列に並んで歩行していた被害者が、後方から、他車の前照灯に眩惑されて走行してきたタクシーにはねられた事故につき、被害者に20%の過失相殺を認めた事例(福岡地判S45.8.26)

■道路の佇立者等の事故
@夜間で暗い非市街地の幹線道路の中央で、加害車が暗い色の服装をして交通整理のため立っていた被害者に衝突した事故につき、前照灯を下向きにした加害車が接近してきているのに安全を確認しなかったとして、被害者に30%の過失相殺を認めた事例(水戸地判H10.9.7)

 

■その他の事故
@加害車(普通貨物自動車)の交代を誘導していた被害車が加害車に合図せずに加害車の交代進路に落ちていた物品を片付けようとしていたところ、これに気がつかなかった加害者がそのまま加害車を後退させて被害者に衝突した事故について、被害者に60%の過失相殺を認めた事例(大阪地判H10.3.26)

 

A被害者らが加害車を取り囲み、ボンネットをけったり大声で叫ぶなどしたため、恐怖心を抱いた加害車運転手が加害車を急発進させて被害者らをはねた右事故につき、被害者に30%の過失相殺を認めた事例(東京地判H13.7.31)

 

12.自動車対自転車

 

■無灯火自転車の事故
@信号機のある見通しの悪い交差点において、対面信号が黄色点滅の道路を制限速度を時速20Km超過した速度で進行した普通乗用自動車と、対面信号が赤色点滅の道路を飲酒の上無灯火の自転車に乗って進行した被害者との出会い頭の衝突事故につき、被害者に45%の過失相殺を認めた事例。(大阪地判H11.5.25交通民32.3.807)

A交差点の横断歩道を横断中の自転車と普通乗用車の衝突事故につき、自転車搭乗の被害車には進行してくる車両の有無・動静に注意を払うことが期待されていたことが期待されていたこと、夜間で事故現場が暗かったこと、自転車が無灯火であったことを考慮し、25%の過失相殺を認めた事例。(大阪地判H10.11.12)

■交差点での事故
@信号機により交通整理の行われている交差点内において、被告車(大型貨物自動車)と道路を横断中の被害者搭乗の自転車との出会い頭の衝突事故につき、対面の車両用信号の青を確認して交差点内に侵入したが中央に至るまでに全赤信号も終了していたから、左側から青信号に基づき進行してきた被告車との衝突の危険を回避すべきであるのに、70%の過失相殺を認めた事例。(東京地判H7.5.16)

A信号機による交通整理の行われている交差点において、自転車横断帯を自転車に登場して横断中の被害者に同交差点を自転車の対抗方向から右折してきた加害車(事業用普通乗用自動車)が衝突した事故につき、加害車運転者には横断中の自転車を容易に確認できるにもかかわらずこれを怠った著しい前方不注視があるとして、過失相殺を認めなかった事例。(名古屋地判H15.11.5)

B乗用車と衝突した飲酒赤信号横断自転車に70%の過失相殺を認めた事例(大阪地判H15.12)

C交通整理が行われていない交差点における優先道路を進行の加害自動車と、一時停止規制のある道路を進行の自転車の出会い頭の事故につき、自転車に40%の過失相殺を認めた事例(大阪地判H11.1)

 

■対向車(センターオーバー)同士の事故
後方からの車両の有無を確認することに気を奪われ、片側1車線の上り坂で緩やかな右カーブとなっている道路を、車両半分ほどセンターラインを超えていることに気づかず走行した普通乗用自動車(加害車)が対抗車線の中央よりややセンターラインよりを走行中の被害者搭乗の自転車のハンドルに衝突した事故につき、車道の左側に沿って走行しなかった被害者の過失は加害車の過失と対比すると極めて軽微であるとして、過失相殺を認めなかった事例。(東京地判H7.3.28)

■その他の事故
@被害者(症状固定時1歳)を同乗させて歩道を走行中の母親の自転車が、バランスを崩して車道側に転倒し、車道を走行してきた加害車両(普通乗用自動車)の側面に接触した事故につき、加害車両運転者には、事故現場手前で自転車がふらつくように走行しているのを認めたから、バランスを崩して車道に出てくることを予見して安全に自転車を追い抜くように走行すべき注意義務を怠った過失があるが、自転車に登場していた被害者の母親にも、被害者を幼児用補助いすに乗せながら運転を誤って自転車を車道側に転倒させているから、相当の落ち度があったとして、過失割合を被害者35%、加害車65%とした事例。(さいたま地判H16.4.23)

 

 

13.四輪車対四輪車
■交差点(直進車同士)の事故
@普通乗用車同士の交通整理の行われている交差点中央付近における衝突事故につき、速度超過の度合いがより大きく、かつ、進行方向の信号が青色信号に変わる前に交差点に侵入した被害者の過失は加害車よりも大きいとして、過失割合を6対4と認めた事例。(神戸地判H8.1.18)

 

A信号機の設置されていない見通しの良い交差点における直進車同士の出会い頭の衝突事故につき、一時停止規制に従って停止した後、交差点に進入した被害者運転者には、左右の安全を充分に確認しなかった過失があるものの、加害車運転者には、制限速度を時速20Kmを超える速度で交差点に進入したことに加え、無免許運転を反復し、車検件切れの車両を運転するなど法規反を無視した態度を斟酌して、過失割合を加害車運転者60%、被害者運転者40%と認めた事例。(東京地判H13.2.22)

B信号機による交通整理の行われていない交差点における甲車と乙車との出会い頭の衝突事故につき、左方者である甲車側に、「止まれ 飛び出し注意」との町設置の標識がある場合に、この標識は法的根拠を欠くものの、交差点が危険な個所であることを警告し、その注意を促す趣旨のものであるから、注意義務を判断する上で考慮すべき一つの事情になり得ると認め、標識にも従わず、一時停止も女工もすることなく交差点に侵入した甲車の過失割合を60%とした事例。(さいたま地判H16.7.13)

■交差点(右折車と直進車)の事故
@交通整理の行われている交差点における右折車(大型貨物自動車)と直進車(普通貨物自動車)との衝突事故につき、信号が青色に変わった後、小回りをして対向直進車よりも先に交差点を右折しようとした右折車の過失割異を8割、直進車の過失割合を2割とした事例。(神戸地判H8.5.30)

A車両通行可の電車軌道敷内を、被告車を気づいた時点で時速80Kmという高速で西行きに進行してきた原告の普通乗用車と、電停南側の一車線となっている西行き車線を電停東畑南側付近で右ウインカーを出して右折の合図をするとともに時速約35Kmに減速したまま右折しようとした被告車の普通乗用車との接触事故につき、過失割合を原告40%、被告60%と認めた事例。(高松公判H7.3.16)   

■同一方向進行車同士の事故
@被追越車が追い越しに反感を持ち、これを不首尾に終わらせようとして加速し、右寄りにハンドルを切ったが、追い越し車が尚追い越しを継続してバス停の歩行者をはねた場合に、過失割合を追い越し車40%、被追越者60%と認めた事例。(東京地判S47.9.11)

A急ブレーキをかけて停車したA車(自家用普通貨物自動車)にB車(業務用大型貨物自動車)が追突した後、B車にC車(業務用大型貨物自動車)が追突したため、B車が前に押し出されて再度A社に追突した事故につき、A車に生じた損害のうち、B車の1回目の追突によるものは70%、2回目の追突によるものは30%であるとして、Bの負担割合を70%、Cの負担割合を30%と認めた事例。(東京地判H10.3.25)

B信号機によって交通整理の行われているY字型交差点において、青信号に従って直進していた被害車(普通乗用自動車)直進青の矢印にもかかわらず右折をしようとした対向のA車(普通乗用自動車)を見て減速したところ、被害車の後方からB車(普通乗用自動車)が追突し、その衝撃で押し出された被害車がA車に衝突した事故につき、被害車がB車に追突されなければA車と衝突しなかった可能性が高いとして、A車とB車の過失割合を4対6とした事例。(東京地判H10.7.28)

 

■対向車同士(センターオーバー)の事故
@A車(普通乗用自動車)が駐車中のB車(普通貨物自動車)の右側方を通過しようとした際、B車の運転席ドアが開放されたため、これと衝突を回避しようとして対向車線に進入したところ、折から、対向車線を進行してきたC車(普通乗用自動車)と衝突した事故につき、A車の運転者は、B車後方で一時停止してC車の通過を待つか、もしくはドアが開放された場合直ちに停止できるか、適切なハンドル操作が可能なまでに減速徐行すべき注意義務を怠ったとして、A車の運転者に70%の過失相殺を認めた事例。(大阪地判H2.2.15)

Aセンターラインのないアスファルト舗装された山岳道路を40〜50Kmのほぼ中央を走行してきた被害車(普通乗用自動車)と、時速60Kmの速度で道路の中央部を走行してきた加害車(普通乗用自動車)とが、多数の樹木が乱立して見通しが悪い幅員5.4mの穏やかなカーブ地点で正面衝突し、被害車の運転者と同乗の妻及び友人が障害を受けた事故につき、道路の中央部を走行し、かつ加害車の発見後適切な対処を怠った被害車の過失も事故の発生に寄与していたとして、被害車運転者及び、被害車同乗者のうち被害車の妻について、40%の過失相殺を認めた事例。(東京地判H3.12.26)

 

■転回車と直進車の事故
@信号機による交通整理の行われている交差点において、青信号で交差点に進入し、赤色・右折青矢印信号でUターンしようと回転中の被告車に、赤信号を無視して交差点に侵入してきた原告車が衝突した事故につき、被告車の回転行為は形式的には赤信号に違反するが、そのような回転行為は多く例が見られ、一般に運転者としては特に違法な行為とは認識しておらず、直進車が赤信号を無視して交差点に進入するような場合に比べて社会的非難の程度は軽いとして、過失割合を原告車70%、被告車30%と認めた事例。(東京地判H14.8.27)

A幅員約7.4mの道路左側に停車していた普通乗用車(原告車)がUターンしようとして右に方向指示器を上げて発進し、道路中央部に進出しようとしたところ、後方から時速約65Kmで進行してきた大型貨物車(被告車)が約30m手前で原告車の方向指示器をあげたのを認めたが、そのまま右脇を通過しようとしたため、原告車右側ボデーに衝突した。原告車は後方の安全確認を怠った過失があるとして、車種の相違も考慮し、60%の過失相殺をした。(宇都宮地栃木支判昭49.6.4)

 

■路外出入車と直進車の事故
@夜間、レストラン駐車場から前面道路(交通頻繁な幹線道路)に左折進入した普通乗用自動車(被害車)と、その道路を後方から直進してきた普通乗用自動車との出会い頭の衝突事故につき、緩慢な加速により追い越し車線に入った被害車に60%の過失相殺を認めた事例。(東京地判H11.1.19)

 

14.四輪車対二輪車
■交差点(右折車と直進車)の事故
@交通整理の行われている見通しの悪いT字型交差点において、被害車(自動二輪車)運転者が、右折中の加害車(普通乗用自動車)に衝突の危険を感じ、急制御の措置をとったため、転倒、滑走した上、街路灯に衝突した事故につき、最高速度を時速約30Km超過した上、あご紐を装着しないでヘルメットを着用していた被害者に、30%の過失相殺を認めた事例。(京都地判S63.10.28)

 

 

 

■同一方向進行車同士の事故
@四車線道路の第一車線右寄りを走行していた甲車(原付自転車)が、第一車線内に乙車(普通乗用自動車)が駐車していたところへ、丙車(普通乗用自動車)が第三車線から第二車線へ進路変更してきたため、ハンドルを左にきって乙車に衝突した事故につき、現場の状況に合わせて充分減速することなく漫然と走行し、進路変更してきた丙車の動きに反応した甲車運転者に60%の過失相殺を認めた事例。(東京地判H11.8.30)

 

■対向車同士(センターオーバー)の事故
@加害車(大型貨物自動車)が、センターラインはみ出し禁止の規制があり、見通しの悪い片側一車線のカーブを、前方の安全確認不十分のままセンターラインを1mほど対抗車線にはみ出して進行したため、対向車線を制限速度(時速40Km)を20Km弱超過した速度で進行してきた被害車(自動二輪車)が急制動の措置をとったところ自車が転倒、滑走して加害車進行車線に侵入し、すでに自車線に戻った加害車と衝突した事故につき、速度違反、運転操作不適切の過失があるとして、被害者に35%の過失相殺を認めた事例。(東京地判H元.2.10)

 

■転回車と直進車の事故

@道路を右折横断して道路わきのガソリンスタンドに入ろうとしたB車(普通貨物車)の車体が三分の一弱右構内に入った際、法定速度(60Km)をかなり上回る速度で進行したきた対向直進のA車(自動二輪車)が衝突。Aは40mに接近して初めてB車を発見したが、B車が停止して譲ってくれると考えて進行。過失割合をA40%、B60%と認めた事例。(岐阜地判S53.5.30)

 

■路外出入車と直進車の事故 

@Aが所有し、これを車検のためB会社に預け、その従業員であるCに試乗させていた甲車(普通貨物自動車)が路外から通行車両で混雑していた道路に侵入、左折しようとした道路外側線手前まで進行した後、道路に侵入、同所に約12秒間停止していたところ、直進してきた乙車(原付自転車)が衝突、乙車運転者が下顎骨骨折等の障害を受けた事故につき、前方不注視を怠った乙運転者に70%の過失相殺を認めた事例。(大阪地判S63.5.31)

 

■渋滞中の車両間の事故
 ※直進する単車をA車(その運転者をA)、右折する自動車をB車(その運転者をB)としています。

@Bは国道163号線を北進中、幅員約5メートルの道路を西から東に向かって右折しようとしてセンターライン上付近のかつ本件交差点の手前約10m位のところで一時停車し、東部分を北より南に向かって直進する対向車を見守っていたところ、第三通行帯と第二通行帯の直進対向車がBが右折できる余裕分をあけて停車してくれ、その後続車も引き続き連なるような状態で停車してくれたので、発進して右折を開始し、徐行しつつ第二通行帯の中央付近で第一通行帯の方も瞥見したが、車両が目に入らなかったのでその後は右折方向を見たまま加速し、時速約20Kmで進行中、第一通行帯に入りかけた付近で、B車の左側ドア部分とA車前部とが衝突するに至ったものである。なお、衝突直前のA車の時速は、70ないし75Kmであった。また、Bが右折当時、第三通行帯と第二通行帯には停止車両が渋滞していたので、B車より第一通行帯に対する見通しは困難の状況にあった。認定した事実によれば、Aにもスピードの出しすぎと前方不注視の過失が存したことは明らかであるから、Bの過失の態様その他諸般の事情も考慮の上、Aの各損害の2/3を減ずる(Aの過失67%)のを相当と考える。(大阪地判S53.7.20)

 

■ヘルメット不着用者の事故
@自動二輪車の後部座席に同乗中受傷した場合につき、被害者が自動二輪車に同乗するに際し、ヘルメットを着用せず後部座席に横向きに乗っていた場合につき、事故の態様・傷害の部位からして、ヘルメットを被っていても傷害は避けられなかったと判断されるし、横向きに乗っていたために傷害が誘発されたり、その程度が増長したりしたとは認められないとして過失相殺を認めなかった事例。(東京地判S46.8.31)

 

 

15.高速道路上
■合流地点の事故
@渋滞中の高速道路本線を走行中の原告車(大型貨物自動車)と料金所からの進入路を走行してきた被告車(普通貨物自動車)とが接触した事故につき、自車の前方に侵入しようとする車両の有無とその動静に対する安全確認が充分でなかった原告車と、原告車の前方に合流した4トントラックと原告車との感覚が3m程度しかないのに、その間に強引に合流しようとした被告車との過失割合を15%対855と認めた事例。(大阪地判H13.6.5)

 

 

■進路変更に伴う事故
@高速道路において、走行車線を走行していたA車(トレーラー)が追い越し車線を走行していたB車(普通貨物自動車)を追い越し、その直後、A車は追い越し車線に車線を変更して停止し、続いてB車がその後方に停止していたところ、さらにその後方を走行していたC車(大型貨物自動車)がB車に追突し、その衝撃でB車がA車に追突した事故につき、A車に波及制動の措置を講じ、高速道路上で停止した過失があり、C車には安全速度義務違反、車間距離保持義務違反、前方不注視の過失があるとして、その過失割合をA車60%、C車40%と認めた事例。(神戸地判H10.12.10)

 

■駐停車車両との事故
A夜間照明設備のない高速道路の車線を塞ぐ形で斜めに停止し、このような状態は後続車の衝突を誘発する恐れが極めて大きい危険なものであったことが明らかであるにもかかわらず、このような危険に対する配慮を欠き、約10分間にわたり、車を走行車線上に停止させたままにし、発煙筒をたいたり、三角板等の法廷の夜間停止表示機材を設置するなどの警告措置を一切とらなかったこの加害車を、後続の被害車(普通乗用自動車)が避けようとして、路肩部分に停止していた大型貨物自動車に衝突した事故につき、事故発生の主たる原因は、法定の最高速度である時速100Kmをはるかに超える著しい速度違反または前方不注視にあったとして、被害車に70%の過失相殺を認めた事例。(東京地判H7.1.26)

■落下物による事故
@高速道路走行中の被害車(普通乗用自動車)の前方を走行中の被告車(大型貨物自動車)の荷台から防水シートが落下し、ソノシートを避けようとして追い越し車線に入り、被告車の前方に出たところ、制御不能となり、ガードレールに衝突、それを飛び越えて大池に転落、後部座席同乗者2名が死亡した事故につき、被害車運転者の過失90%、被告車の過失10%を相当とした事例。(名古屋地判H1.5.31)

 

16.好意同乗減額
■過失相殺(類推適用)により認定
@被害者が加害者に貸しレコード屋に連れて行ってくれるように頼み、加害者がそれに応じ、加害者を運転中事故を起し、同乗の被害者が死亡した場合に、好意同乗を理由として損害額から20%を減ずるのを相当とした事例。(横浜地判S63.8.18)

A被害者所有の事故車(普通乗用自動車)を被害者と加害者が交代で運転して長距離ドライブし、加害者が運転中、事故車が中央分離帯に急接近していたにもかかわらず加害者が適切な回避行動に移れないでいたため助手席にいた被害者が手を伸ばしてハンドルを左にきり、事故車が逸走して左側ガードロープに激突した事故につき、右事情及び加害社が高速道路の運転がはじめてであることを知りながら高速運転させて自分はシートベルトもせずに運転席に乗り込んで漫然とシートを倒して横になっていた被害者に、70%の過失相殺及び好意同乗者減額を認めた事例。(大阪地判H3.9.12)

B友人らと飲酒の上、意識を失った被害者が、友人の運転する被害者所有の車両に同乗して帰宅する途中に事故が発生して被害者が死亡した場合につき、被害者は自賠法第三条の「他人」に当たるが、事故の発生について5割の過失があるとされた事例。(浦和地判H11.7.21)

C一緒に飲酒した会社の同僚が酒気帯び運転をすることを承知で同乗した被害者にも責任があり、損害の公平な分担を図るという趣旨から損害額を減額することが相当であるが、事故の直接の原因は同僚の前方不注視と速度超過であり、被害者はこれには関与していないし、飲酒の量が必ずしも多いとまではいえないとして損害額から10%を減額することが相当であるとした事例。(大阪地判H10.10.30)

D18歳の男性被害者(大学1年生)が、友人の運転する自動車に同乗中転落事故に遭い受傷した場合について、被害者は友人の免許取得が約1ヵ月半前であり、運転技術が未熟であることを知っていたこと、雑談をしてほぼ徹夜の状態の後の過労運転であることを知りながら同乗していたこと、事故当時高速で運転していたことを容易に知りえたのに特に速度を落とすようにいわず、ドライブを楽しんでいたことなどの事情に照らし、被害者はある程度危険な運転を放置容認し、その利益を得ていたとして、公平の見地から損害の15%を減額した事例。(東京地判H7.6.22)

 

■他人性排除等を理由に減額
@女高生を後部座席に載せて琵琶湖にドライブに言った帰途、事故により同乗者を死亡させた事案につき、同乗者は部分的な運行供用者性を取得し、それに対応して同部分の他人性が排除されるのみならず、運転者に対し速度を緩める等の指示をしなかった点に被害者としての過失が認められるとして、20%の減額を相当とした事例。(大阪地判S53.6.12)

 

■認めなかったもの
@大学生と内縁の夫のいる元看護婦が二人で出奔して旅行中、心中未遂や自殺未遂を重ねた後、数日後に大学生の運転するレンタカーで旅行中に自動車ががけ下に転落し、元看護婦が死亡した事故について、好意同乗による減額は同乗していた被害者が事故発生につき非難されるべき事情が存在する場合に限ってなされるものであり、事故発生当時睡眠状態であった被害者には事故発生について非難されるべき事情は存在しないとして、好意同乗による減額を認めず、出奔中の事故であったこと、事故当時精神安定剤を服用して眠っていたことなどの事情は慰謝料の減額事由として斟酌すべきであるとした事例。(和歌山地判H6.12.20)

A深夜、被害者が中学時代の同級生で遊び仲間であった友人Aの運転する自動車の助手席に同乗して遊びに行く途中、交差点における他の自動車との出会い頭の衝突により死亡した事故につき、同乗してから事故に遭うまで約50分に過ぎなかったこと、Aは現場付近をよく知っていたこと、同乗していた自動車は低速度で走行していたこと等を考慮すると、Aが事故の半月前に普通免許を取得していたことを被害者が知っていたとしても好意同乗による減額されるべき事情が認められないとした事例。(おおさかちはんH10.12.15)

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